余命を誰かに渡せるとしたらどうしますか? いくつもの“決断”に涙する、いぬじゅんの最新小説『君の余命が消えぬまに』

文芸・カルチャー

公開日:2023/2/8

君の余命が消えぬまに
君の余命が消えぬまに』(いぬじゅん:著、Tamaki:イラスト/ポプラ社)

 ライト文芸ファンを中心に絶大な支持を得ている作家・いぬじゅん氏。待望の最新作『君の余命が消えぬまに』(いぬじゅん:著、Tamaki:イラスト/ポプラ社)が、2023年2月2日に発売された。発売前から注目を集めていた作品ということもあり、早くもSNS上では「これぞ、いぬじゅん先生の真骨頂!」「命について考えさせられた」といった反響が広がっている。

 著者のいぬじゅん氏といえば、『この冬、いなくなる君へ』をはじめとした「冬」シリーズでおなじみの小説家。同シリーズは累計25万部を突破し、他にも『この恋が、かなうなら』(集英社オレンジ文庫)など数々のヒット作を生み出している。そのため今回の新刊についても、発売前から「読むのが楽しみ」「また泣いてしまいそう」「最新作待ってました!」といった期待の声が多数寄せられていた。

 同作の主人公は、心臓の病気が発覚し、会社を退職することを決めた生内花菜。彼女は最終出社日に、同僚から都市伝説のように広まっている“余命銀行”についての話を聞く。

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 余命銀行とは、自分の余命を誰かひとりだけに預けられる銀行のこと。だが余命を預けるには制約があるようで、余命を預けた本人は預けた相手とはその後一度しか会えなくなってしまうのだ。

 花菜はある日、ひょんなことから余命銀行へと辿り着き、そこで銀行の支店長・伊吹と出会う。成り行きで銀行で働くうちに、彼女は命を預けにくるさまざまな人と出会う。究極の選択に向き合う人々を見て、花菜はいったい何を思うのだろうか。悲しくも温かい涙が頬を伝う、感動の結末とは――。

 また本編のストーリーだけでなく、同作の美麗な表紙にも注目してほしいところ。表紙を手がけたのはいぬじゅん作品でおなじみのイラストレーター・Tamaki氏で、これまでにも『いつかの冬、終わらない君へ』や『この冬、いなくなる君へ』など数々の表紙イラストを担当している。「冬」シリーズといえばTamaki氏のイラストを思い浮かべる人も多いのではないだろうか。

 今回の表紙に関しても、「表紙が魅力的すぎて思わず表紙買いしてしまった」「幻想的な表紙がいぬじゅん先生の作品とすごくマッチしている」「本文を読んだ後に表紙を見るとグッときます」といったコメントが相次いでいた。

 ちなみに作者曰く、同作は“じんわりする”ストーリーとのこと。まだまだ寒い日が続く季節、『君の余命が消えぬまに』を読んで身も心も温めてみてほしい。

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