七福神が全部わかる!? 七福神の学園生活マンガ

2013/1/1

 日本では、福を呼ぶありがたい神様として人々に知られている七福神。来年の5月10日にアニメ映画が放映されることになった『聖☆おにいさん』(中村 光/講談社)には、黒髪ショートの美少女なのに全裸で琵琶を弾いちゃうような弁才天が登場するなど、キャラクターのモチーフとして使われることの多い七福神だが、意外と7人全員の名前を知っている人は少ないのでは?

 そんな七福神について楽しく知ることができるのが、『吉祥7-seven-』(天河 藍:著、里羅琴音:原著/一迅社)というマンガ。この作品の主人公は、七福神の生まれ変わりとして同じ年に同じ街で生まれた7人の高校生。そして、人々に幸せを振りまく個性豊かな彼らが繰り広げるハッピーな日常を描いているのだ。

 まずは、「長寿」「幸福」「財産」を司る福禄寿と、その同体であると言われる寿老人。七福神のなかでも頭の長いおじいさんが福禄寿、ひときわたっぷりヒゲを蓄えたおじいさんが寿老人だが、『吉祥7-seven-』では、その分身としておかっぱ頭の双子・福禄寿里と寿南が登場。彼らは朝6時に起きて1杯の白湯を飲み、公園でおじいさんおばあさんと一緒にラジオ体操をし、「ほれお主にもおすそ分けじゃ 今朝ご婦人にもろうたんでのう」と言っておまんじゅうを配ったりする。福禄寿と寿老人の分身らしく、生活や好みの食べ物、言葉遣いまでもが高校生とは思えないほど老成しているのだ。

 そんな福禄コンビのことが大好きなのは、毘沙門天の分身である毘沙門天人。武道の神として知られる毘沙門天同様、剣道部のエースとして活躍している彼。そんな彼の特技は目で殺す事。これも、憤怒の形相で描かれることが多い毘沙門天の特徴から来ているのだろう。生徒会の書記も務める天人には、毎朝家族の朝食を準備し、自分と妹の分の弁当を作るという家庭的な一面も。目付きが悪いせいで怖がられることも多いが、たまに見せる笑顔にキュンとする隠れファンも急増中だ。

 そして、七福神のなかで小槌を抱えているおじいさん・大黒天の分身は、吉祥高校の生徒会長も務める大黒天架亜羅。本来、生殖や豊穣を司る大黒天だが、縁結びの神として知られる大国主との統合によって“縁結び効果”まで生まれたらしく、その力はきちんと架亜羅にも反映されている。彼が睡眠不足だと、周りの人をイチャイチャさせたり、自分にメロメロにさせるフェロモンを垂れ流してしまうのだ。普段は沸点の低い俺様キャラの大黒天架亜羅だが、恵比寿神(七福神のなかでは鯛を抱えたおじいさん)の分身で幼なじみでもある恵比寿伊佐那に関してだけは面倒見の良さを発揮する。実際、農業の神である大黒天と漁業の神である恵比寿神は一緒に信仰されることが多く、2つ合わせて商売繁盛の神として親しまれてきた。ちなみに、本作のなかでは、恵比寿神伊佐那は朝っぱらから制服のままプールで泳いじゃうような少し変わった男の子。しかし、これも漁業の神なら仕方ないことなのかも。

 また、七福神のなかで唯一女の神様として登場する弁財天の分身は、副会長を務める弁財天紗蘭。姫カットのキリッとした美少女として描かれている彼女は、薙刀を巧みに使いこなしたり、早朝にはジョギングをし、困っている女子がいたら助けるような、正義感の強い女の子。さらに、生徒会のメンバーがお腹を空かせていたり、捜し物をしていたら何も言わなくてもさっと差し出してくれるような、お母さん的要素も持ち合わせている。

 そんな彼女に面倒を見てもらっているのが、太鼓腹がトレードマークの布袋の分身である櫂。布袋は実在した人物らしく、定住することなくさまざまな場所を渡り歩いては施しを受けたそうだが、作中に登場する櫂も、友達の家を転々と泊まり歩いている。また、布袋には人の吉凶を言い当てたという逸話が残っているのだが、その分身である櫂も占いが得意で、報酬としてみんなからお菓子をもらったりしている。甘いものには目がなく、一見、喧嘩や格闘技なんて無縁のようなぼんやりした人に見えるが、実は強すぎて道場破門になるほどの力の持ち主。特に、弁財天紗蘭のピンチになるとその力を発揮し、宇宙と交信まで始めちゃう謎に包まれた人物なのだ。

 このように、七福神の特徴をうまく活かした『吉祥7-seven-』。最強の7人組であるだけでなく、もしも身近にいたらこんなにも楽しそうな生活が待っているのかと思うと、親近感は増す一方。七福神が祀られた場所は全国にあるので、この新年は本書で勉強しつつ、七福神めぐりに出かけみてはいかがだろう。