あなたの知らない2.5次元の世界

更新日:2013/1/9

 第2部の視聴率が年間最高となる42.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録した、NHK紅白歌合戦。昨年は「初音ミクが出場するかも!?」という噂も出て、オタク界も賑わせてくれた。また、5年前からはNHKの紅白歌合戦に対抗してアニソンだらけの紅白歌合戦「アニソンキング」なるものまで開催されているのだが、実はアニソン以外にも盛り上がりを見せているジャンルがある。それが、ボーカロイドや「歌ってみた」の歌い手たちのような2.5次元の世界だ。

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 もともと、声優にフィギュア、コスプレイヤーや3D化した映像を使って遊ぶゲームなどは、2次元でも3次元でもない。その狭間を表すために使われていたのが“2.5次元”という言葉。その中でも、いま特に注目を集めているのが、ニコニコ動画などでボカロの楽曲を作っているボカロPや、ニコニコ動画に自分の歌声をアップするカテゴリタグ「歌ってみた」の歌い手たちだ。最近では、『歌ってみたの本』(エンターブレイン)や『2.5SongMATE』(フールズメイト)、『UTA★ST@R』(ルックアットスター編集部/学研パブリッシング)といった雑誌が続々と創刊されているほど、大人気の「歌ってみた」のジャンル。それでは、もしもその歌い手だけで紅白歌合戦をしたらどうなるのだろうか? そこで今回は、昨年話題になった歌い手を中心に紹介してみようと思う。

 まずは紅組代表から。『歌ってみたの本 Gir’s Bible』(エンターブレイン)でも女性歌い手の人気No.1と言われ、ソロアルバムもリリースした96猫。パンク系のファッションに身を包む彼女が歌の動画を投稿し始めたのは、なんと小学校5年生のとき。高音から低音まで使いこなすフリーダムさで人気を集めている。

 さらに挙げたいのは、現役高校生ユニット・ClariS。もともとはアリス☆くららとして歌ってみたの動画を投稿していたが、2010年にアニメ『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』のオープニングを担当してからは次々と話題作のオープニングやエンディングテーマに選ばれた。今年は劇場版『魔法少女まどか☆マギカ』の主題歌も担当しており、人気も話題性も充分だ。

 また、「中学生“歌い手”人気ランキング」でも2位にランクインし、現役の中学生とは思えないほどの歌唱力でマイリスと再生回数をぐんぐん伸ばしている新人のみれごんにも注目。柿チョコ、びびあん、ヲタみんという人気も実力も兼ね備えたベテラン3人組の新ユニット・ANFLAからも目が離せない。

 一方、白組代表といえば、やはり現在『聖闘士星矢Ω』の主題歌も担当している√5。これは、1月7日からアニメ『キングダム』の主題歌を担当することになった蛇足をはじめ、みーちゃんやぽこた、koma’n、けったろの5人組からなるグループだ。いま話題のビジュアル系バンドとしてデビューした彼らは、その歌声だけでなくビジュアルの面でも女性ファンをメロメロにしている。

 さらに、昨年の4月からアニメ『君と僕。2』のオープニングを担当した少年Tこと佐香智久も、2012年は大活躍。もともと弾き語りで動画をアップしていた彼だが、その透き通るような声には定評があり、『ZIP!』でも「癒やし声の神」として取り上げられた。『君と僕。2』のアニメ放送開始直後は、Twitterでも「この曲を歌っているのは誰!?」と大きな話題になったほどだ。

 そして「期待の新人」タグがつけられ、動画投稿から1週間も経たずに2万再生を突破した中学2年生のあおいは、まさにいま、注目すべき期待の新人だろう。また、外国人の歌い手もたくさんいるのだが、特に台湾人の歌い手は多く、ゼーノや現役高校生であるムースも、そのひとりだ。

 他にもまだまだ注目の歌い手はたくさんいるが、あなたならどんなチーム分けにするだろうか? 今回は歌い手に絞ってチーム分けしてみたが、初音ミクやMEIKOの楽曲は紅、鏡音レンやKAITOの楽曲は白というふうにVOCALOIDキャラの性別によってチーム分けをしたり、じん(自然の敵P)やひとしずくPといったプロデューサーの性別ごとに振り分けてもいいかもしれない。なかには性別を明かしていない歌い手やプロデューサーもたくさんいるので、いっそ桃組を作ってしまうのもありかも。

 みなさんも自分なりの紅白メンバーを選出して、妄想紅白歌合戦を楽しんでみては?