『八重の桜』新島八重に学べ! 新たなモテは「明治女」が鍵!?

2013/1/17

 高視聴率で幕を開けた、今年のNHK大河ドラマ『八重の桜』。綾瀬はるかが演じる主人公・新島八重は、“幕末のジャンヌ・ダルク”とも呼ばれ、のちに同志社大学を設立する新島 襄の妻となった人物。男尊女卑の時代にあって、会津の武士道「ならぬことはならぬのです」の精神を貫いた“元祖ハンサムウーマン”だ。

 そんな八重の、時代を超えたかっこいい生き方がよくわかるのが、『明治女が教えてくれた プライドのある生き方』(石川麻里子/講談社)だ。八重といえば、なんといっても戊辰戦争における会津鶴ヶ城での籠城戦に参加したことが有名。スペンサー銃を構えて戦線に加わったことは、『八重の桜』初回の冒頭でも触れられていた通り。これだけでも相当に異色の女性だったことはわかるが、じつは城内にとどまらず「城外への進撃にも出たい」と藩主である松平容保(ドラマでは綾野剛が好演)に申し出ていたそう。もちろん「兵が尽きて女兵を出してきた」と思われるわけにはいかず、容保は八重の申し出を断ったが、八重は“闇の中では男か女かわからない”だろうと、夜襲に参戦。夜襲が至近距離での攻撃になることも念頭に入れて旧式のゲベール銃を使用したというから、八重の判断力、そして「何も恐れることなく自分の信じるままに突き進む」八重の行動力がよく伝わってくるエピソードだ。

 もちろん、パートナー選びにも八重らしさが。ドラマでは長谷川博己が演じる最初の夫・川崎尚之助は、八重に「銃の実践技術に加えて、銃や砲弾の構造」といった知識を伝授。籠城戦でも2人は“あうんの呼吸で協力し合い”、敵陣の大砲を爆破した。また、尚之助と生き別れた後に出会ったアメリカ帰りの新島襄(ドラマではオダギリジョーが演じる)も、八重の「兄のいうこともきかない」態度に胸キュン。襄と結婚した八重は「ジョー」と呼び捨てたが、襄は「八重さん」と呼んだそう。こうした関係が誤解を招き、八重は悪妻のレッテルを貼られたが、尚之助にしても襄にしても、男と対等に渡り合おうとする八重の最大の理解者だったはず。逆にいうと、八重は「この男勝りが」とたしなめるような男は選ばなかったということ。互いを尊重し、高め合える関係を築ける男性をこの時代に選んだ“狂いのない眼”は、現代の女性も多いに参考にしたい部分だろう。

 しかし、じつは八重に限らず、明治にはかっこいい女性が数多く存在したと本書は紹介。八重と同じく会津に生まれた日本初の女子留学生であり、のちに“鹿鳴館の花”と呼ばれた大山捨松や、パナソニックの“陰の創業者”と言われる松下幸之助の妻・松下むめのといった人物が取り上げられている。彼女たちは、「現代の私たち以上に意思表示がはっきりしていたのではないかと思うほど」と著者が書くように、非常にしっかりとした自分の意見を持った女性ばかり。幕末から明治初期のようすをまとめた『名ごりの夢』(平凡社)で知られる今泉みねは、美人について「気合いから出たおつくり」と表現しているが、当時の美しい女性とは、「内側から輝いている人」のことだったのかもしれない。

 ちなみに、開国した日本を訪れた西洋人は「日本女性すべてこぎれいでさっぱりしており、平均的にかわいらしいので、われわれは日本国土全体に惚れこんでしまいそうである」(『エルベ号艦長幕末期』ラインホルトヴェルナー:著、金森誠也:翻訳、安藤 勉:翻訳/新人物往来社)、「娘さん達が深々とお辞儀をし、優しい笑みを浮かべて近づいてくるのは見ものである」(『スイス領事の見た幕末日本』ルドルフリンダウ:著、森本英夫:翻訳/新人物往来社)と、日本人女性を絶賛。もしかすると、今年は『八重の桜』人気によって、 “強くてカワイイ明治女”がモテのキーワードになる……かもしれない。