第148回芥川賞は黒田夏子『abさんご』、直木賞は朝井リョウ『何者』と安部龍太郎『等伯』が受賞

2013/1/16

早稲田文学・黒田夏子氏

(写真右・黒田夏子氏)

 第148回芥川賞・直木賞(日本文学振興会主催)が発表された。選考会は16日、東京・築地の新喜楽で開かれ、芥川賞は黒田夏子氏『abさんご』に、直木賞は2作品選ばれ朝井リョウ氏『何者』と安部龍太郎氏『等伯』にそれぞれ決定した。

 芥川賞選考委員の堀江敏幸氏は受賞作『abさんご』について「非常に洗練された小説だった」と語り、直木賞選考委員の北方謙三氏は、朝井リョウ氏の『何者』について「きわめて現代的な青春小説だった」、安部龍太郎氏の『等伯』については「この受賞をきっかけに大きな変化があるだろう」と語った。

 授賞式は2月に都内で行われる予定。

 直木賞受賞の2作品は単行本がすでに発売されている。芥川賞の『abさんご』は1月19日に単行本化され文藝春秋より刊行される。

【第148回 芥川賞・直木賞】

芥川賞

『abさんご』

 黒田夏子/文藝春秋/1260円

abさんご

75歳の「新人女性作家」のデビュー作。蓮實重彦・東大元総長の絶賛を浴びて、「早稲田文学新人賞」を受賞した表題作「abさんご」。全文横書き、かつ「固有名詞」を一切使わないという日本語の限界に挑んだ超実験小説ながら、その文章には、「昭和」の知的な家庭に生まれたひとりの幼子が成長し、両親を見送るまでの美しくしなやかな物語が隠されている

⇒作品冒頭部分(「WB」vol.025に掲載。PDF形式)

直木賞

『何者』

 朝井リョウ/新潮社/1575円

何者

就活の情報交換をきっかけに集まった、拓人、光太郎、瑞月、理香、隆良。学生団体のリーダー、海外ボランティア、手作りの名刺……自分を生き抜くために必要なことは、何なのか。この世界を組み変える力は、どこから生まれ来るのか。影を宿しながら光に向いて進む、就活大学生の自意識をリアルにあぶりだす、書下ろし長編小説

『等伯』

 安部龍太郎/日本経済新聞出版社/1680円

等伯

「あなたの絵には真心がある」。養父母の非業の死により故郷を追われ、戦のただなかへ。激動の戦国の世と法華の教えが、画境を高みに誘う。長谷川「等伯」の誕生を骨太に描く傑作長篇。2011年1月から2012年5月まで日本経済新聞朝刊で連載された作品