中二病必読!? 話題の必殺技事典は使える? 使えない?

更新日:2013/1/22

 必殺技は、声に出してこそ。マンガやテレビのヒーローとあわせて、大声で必殺技を叫んだことのある人も少なくないだろう。

 そんな、ちまたにあふれる必殺技の数々を網羅した本が、12月27日に出版された。それが『声に出して叫びたい必殺技事典』(必殺技研究会/笠倉出版社)だ。この本ではなんと、アニメ・漫画・特撮・忍法帳・武侠小説など300タイトル以上の必殺技が、その技の概要とともに収録されている。

advertisement

 有名どころではなんといっても、『ドラゴンボール』(鳥山 明/集英社)の「かめはめ波」。全身の気を両掌に凝縮し、一気に放出する技なのだが、これは、自分にもできるんじゃない? と思わせてくれるところがポイントで、実際に試してみた人も多いはずだ。両掌を合わせて腰の位置に移動させ、「かーめーはーめー」と気合いを入れて、「波っっ!」の掛け声とともに両掌を前に出し、その掌から何も出ないことに絶望したことだろう。

 今のチビッ子たちに大人気なのが、『ONE PIECE』(尾田栄一郎/集英社)の「ゴムゴムの銃(ピストル)」ではないだろうか。これは主人公ルフィがはじめて出した必殺技。ゴムゴムの実の能力者という利点を生かした技で、技名の発声とともに、腕を前に伸ばして相手にパンチを叩き込むというもの。これなんてもう、腕がゴムのように伸びなければ、ただ相手をぶん殴るだけになってしまうのだが、暴漢に囲まれたときにはぜひ使っていただきたい。というのも、もしかしたら『ONE PIECE』の知名度とあわさって「えっ今のゴムゴムの銃(ピストル)じゃね? 俺知ってるよー」なんて展開から、暴漢とも仲良くなれるかもしれない。

 昨年、映画化され人気を呼んだ『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』(和月伸宏/集英社)の技も収録されている。なかでも、主人公、緋村剣心の最大の必殺技「天翔龍閃」なんて、雨上がりの夜に傘を持っているだけでできてしまうお手軽技だ。傘を刀に見立て、腰に差した居合いの構えから「あまかけるりゅうのひらめき!」という言葉とともに、最大の力で傘を抜こう。この技のキモは左足から踏み込むことなので、そこも意識してさえすれば完璧だ。ただし、そのあまりの威力から、安いビニール傘なら壊れてしまう可能性があるので、注意が必要だ。

 もちろん、「プリキュアシリーズ」や「セーラームーンシリーズ」といった、女子向けの技もそろっているので、女の人も安心してほしい。

 有名どころだけではなく、マニアックな必殺技も収録されている。

 たとえば『ゲームセンターあらし』(すがやみつる/太田出版)の「水魚のポーズ」なんて、覚えている人のほうが少ないのではないだろうか。ちなみにこの技は、ヨガのポーズを取ることで精神統一を図る、といったものらしい。なんとも気の抜けた必殺技だ。

 バスケットボールを題材にした、ある意味で『SLAM DUNK』(井上雄彦/集英社)のさきがけともいえる作品『ダッシュ勝平』(六田 登/小学館)の必殺技までおさめられている。特筆すべきなのが「引田天功」という技。相手に「犬になれー、犬になれー」と催眠術をかけるというものらしく、おそらく奇術師、催眠術師の引田天功からとったと思われる。というか、バスケで使うような技ではない。これには、作中でさまざまな技が出てくる『黒子のバスケ』(藤巻忠俊/集英社)もビックリだろう。

 映画化が噂されている『究極!! 変態仮面』(あんど慶周/集英社)の必殺技も、この本ではおさえられている。「変態秘奥義・ジャンピングオイナリプレスホールド」や「空中亀甲縛り」「懺悔のクロス・アタック」などなど、こんなに必殺技を持っていたのか変態仮面! と驚いてしまうこと間違いなしだ。

 中二心を刺激するものから、ノスタルジックにひたれるものまで、とにかくもう、多種多様な必殺技が載った1冊。

 もしこの本で刺激を受けたなら、大声で必殺技を叫んでみよう。だけど、人の目があるところでは、ヒーローどころか不審者扱いを受けてしまうことは確実なので、くれぐれも気をつけて。