あの有名IT企業の採用基準は“いいひと” だった

更新日:2013/1/28

 エントリーシートや会社説明会など、就活が本格的にはじまりだすのがこの時期。できれば大手企業に採用されたい。あわよくばGoogleやFacebookなんて、時代を牽引するような有名企業なんかに入れたら……。でも知識も経験も技術もない自分には、そんなこと夢のまた夢か……。

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 ちょっと待ってほしい。そこで諦めるのはまだ早い、それは夢で終わらないかもしれない。というのも、じつは、GoogleやFacebookが採用しようとしている人材は、知識や経験や技術を持った超天才ではないというのだ。

 そんな衝撃的な事実を教えてくれるのが『超情報化社会におけるサバイバル術 「いいひと」戦略』(マガジンハウス)だ。作者はあの『新世紀エヴァンゲリオン』を生み出したアニメ会社ガイナックスの設立者、岡田斗司夫。彼は、21世紀の超情報社会では、個人が生き延びる戦略として「いいひと」になることが最適であると説き、本で「いいひと」のなり方や、なぜ「いいひと」が必要とされているのかなどを書いている。

 本によると、GoogleやFacebook本社の役員クラスの人に「あなたたちの会社では、どういう人材を求めているんですか?」と質問したところ、こういった答えが返ってきたという。

「good natured person」。直訳すれば「好人物」、つまり「いいひと」だ。そう、GoogleやFacebookの採用方針は、なんでもできる超天才のようなスキル重視のものではなく、人格重視というのである。なぜ、こういった採用方針になったのか。その背景にあるのは、インターネットというインフラが整えられたこと。これにより、スキルを持った人材を探すのがかんたんになったのだ。そうすれば「スキルが高い人なんて、本社に置かなくても外にいくらでも転がっている」という意識が生まれるのも致し方ないことだろう。よって、本社に置きたいと思う人材は、周りの人の仕事の邪魔をせず、揉めごとを起こさず、楽しく協力し合える「good natured person」になるというわけだ。

 どうだろうか。夢を諦めかけていた就活生にとっては、まさに希望のような話なのではないだろうか。

 でも「いいひと」なんて、どうやってなればいいの? そう思われる方も多いだろう。大丈夫、本では「いいひと」になるためのポイントを教えてくれている。その具体的な内容も、かんたんなもの。要は「イヤな人」がやることをやらないようにすればいいのだ。「欠点を探す」「改善点を見つけて提案する」「陰で言う」「悪口で盛り上がる」「悲観的・否定的になる」「おもしろい人、頭の良い人、気の合う人だけで集まる」。これらをやめるようにするだけで、あら不思議。自然と「いいひと」に近づいていくと本には書かれている。

 実際のところ、「いいひと」になるだけで、GoogleやFacebookに入れるかどうかはわからない。しかし0%の確率が、1%になるのかもしれないのだから、試す価値はあるだろう。ダメで元々、だけどもしかしたら、その先には、輝かしい未来が待ってる……かも。