さんま、タモリ、イチロー、シャア…誰の生きざまに学ぶ?

仕事術

2013/1/30

 書店のビジネス書棚を巡ると、社会を生き抜くための指南本が数多く並んでいる。そこで目につく本の中には、有名人の生きざまをよりどころにしているものもチラホラ。最近では1月24日に発売された『なぜ、明石家さんまは「場を盛り上げる」のがうまいのか?』(内藤誼人/大和書房)の蛍光ピンクのカバーがひときわ目立つ。

 本書は、バラエティー番組などで長年に渡り軽妙なトークを繰り広げる明石家さんまについて、テレビや週刊誌などで本人が発したコメントを心理学者の内藤誼人が拾い上げ、それを本人が職場や学校等で通じるような考え方や処世術に“翻訳”した内容となっている。相手と和やかな会話をするために場の空気を察知する気遣いのしかたから人を喜ばせようという姿勢、人間関係の中で生じるネガティブになりがちな発想を上手く流す術(中には流さず“覚えておくべき”というものもある)など、読めば強力なプラス思考になれそうだ。

 内藤誼人の既刊本には、明石家さんま以外にもタモリと笑福亭鶴瓶を題材とした『なぜ、タモリさんは「人の懐」に入るのが上手いのか?』(廣済堂出版)や『「誰からも好かれる術」を笑福亭鶴瓶に学んだら』(ぱる出版)もあるので、自分の好みに合わせてチョイスすることができるだろう。

 こうした有名人を“生き見本”としたものとしては、イチロー(ヤンキース)も成功者のモデルになることが多い。特に臨床スポーツ心理学者の児玉光雄が数多くのイチロー本を刊行している。そのひとつである『イチローに学ぶ勝利する人の習慣術』(河出書房新社)では、前出の内藤誼人と同様、イチローがメディアでコメントした自身の野球にのぞむ考え方を多数とりあげ、それを日常生活のどのようなことに当てはまるかを解説している。特に本書は引用しているコメントの数が相当な量におよんでいるので、純粋にイチローのコメント集としても楽しめそうだ。

 さらにはアニメ「機動戦士ガンダム」シリーズを日常社会に当てはめて説く『シャアに学ぶ“逆境”に克つ仕事術』(鈴木博毅/日本実業出版社)なるものまである。こちらは戦略マーケティング・コンサルタントの鈴木博毅がガンダムの世界における人物群像をビジネスの世界に通用するメソッドに置き換えた内容。本書はそれ以前に出ている『ガンダムが教えてくれたこと 一年戦争に学ぶ“勝ち残る組織”のつくり方』の続編的なものとなっており、モデルとなっている作品も続編の『機動戦士Zガンダム』に移行している。タイトルにはシリーズを通して主人公の宿敵となるシャア・アズナブル(=『機動戦士Zガンダム』ではクワトロ・バジーナ)の名前を使ってはいるが、読み進めると、第一作から登場し続けているホワイトベース艦長ブライト・ノアとシャアとのリーダーとしてのスタンスの違いを分析したり、シャアと敵対する組織・ティターンズの指揮官であるバスク・オムやパプテマス・シロッコほか、多くの脇役などについても細かく言及したものとなっている。

 詳しく読んでいくと、どれも多少は論法に無理があったり、突っ込みたくなるところも出てくるかもしれないが、モデルの人物や作品を熟知している者が読めば、思わず「ニヤっ」としてしまうこれらの本。さて、アナタは誰の生きざまに学ぶ?

文=キビタキビオ