こんな青春送りたかった!30代女子におすすめの部活コミック

マンガ

公開日:2013/2/8

 二宮和也が表紙を飾る『ダ・ヴィンチ』3月号では、大人の女性にこそ読んでほしい「30代女子のためのマンガ100」を大特集。

30代女性を対象にした読者アンケートで、ハマっているマンガ1位と2位に選ばれた『君に届け』(椎名軽穂)と『ちはやふる』(末次由紀)。青春少女マンガは30代女子に最も人気のあるジャンルだろう。

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 中学・高校という限られた時間の学園生活。その世界観でしか描けないテーマがある。筆頭が、この2作品それぞれの主題である部活と初めての恋だ。
部活マンガの傑作として、『ちはやふる』と並んで『青空エール』(河原和音)を挙げたい。2作品に共通する魅力は、千早とつばさ、主人公の人物造形の素晴らしさだ。ひたすらに部活に打ち込む、その一生懸命な姿に強く惹き付けられる。

 千早はかるたがすべて。部の創設も新入部員の勧誘も、かるたのためならどんな困難もものともしない。つばさは、憧れの吹奏楽部に入ったもののまったくの初心者。でも、顧問の先生や同級生に厳しいことを言われても、決して諦めず努力を続ける。

 かるたに、吹奏楽に一生懸命になることによって、次々と障害を乗り越え、彼女たちは前進し新しい世界を獲得する。

 同時に、かるたと吹奏楽は、彼女たちにかけがえのない出会いもくれる。千早は幼馴染みの新と太一と強い絆を持ち、つばさは大好きな山田くんと、甲子園に行くという夢を共有している。

 世界を広げる原動力であり、人と人とをつなぐ心の要。燦然と輝く一生懸命の有り様を、部活マンガは30代女子に見せてくれる。

 特集ではほかにも、友達やライバルをキーワードにしたマンガも紹介。バスケ部員だが、強くなるよりも友達と楽しく部活するのが目的な女子高生・寅子の前に「県大会で優勝しないと地球が滅びる」と言うイケメンな神が現れて……という新機軸の青春コメディ『とりあえず地球が滅びる前に』(ねむようこ)。女学院で出会った華族の血を引くお嬢様・千世に、新聞の風刺画をえがかされるハメになった極貧少女・よし子、その乙女の夢と友情の軌跡を描いた『大正ガールズ エクスプレス』(日下直子)など、青春・熱血コミックを多く紹介している。

構成・文=松井美緒
『ダ・ヴィンチ』3月号「30代女子のためのマンガ100」より)