検証! お笑い芸人・天津向の萌えマンガはおもしろいのか!?

マンガ

更新日:2013/2/14

 漫才コンビの「天津」の向 清太朗をご存知だろうか。「エロ詩吟」の木村卓寛の相方といえばわかりやすいのかもしれない。その、“じゃないほう芸人”向 清太朗がストーリー4コママンガの原作に初挑戦したマンガが、ついに連載開始された。それが『まんがタウン』(双葉社)3月号の『てんしんらん満!』(向 清太朗:原作、柚原有里:作画/双葉社)だ。

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 といっても実は、お笑い芸人がマンガに関わることはそう珍しいことではない。最近では鉄拳がパラパラマンガで人気を博しているし、インパルスの板倉もマンガ原作者となっている。大手事務所、吉本興業も過去には『コミックヨシモト』(ヨシモトブックス)というマンガ雑誌を刊行し、島田紳助や千原ジュニア、ハリセンボンなどの芸人を原作者にしたマンガを発表していた。

 そんななかの天津向のニュースである。正直「またか」と思われた方も多かったかもしれない。しかし、彼が他の芸人と違ったのは、自身で「天津向の4コマトークライブ」というイベントを主催するほど4コママンガに並々ならぬ愛着をもっていたということ。しかもそのイベントの第1回で「マンガ家を目指す」と宣言したらしく、それから2年ほどの間、10数回の持込を重ねていたらしい。その努力がついに実を結び、連載枠を勝ち取ったというわけだ。

そんな苦労の果てに作られたマンガ『てんしんらん満』はおもしろいのか、萌えられるのか、できるだけ検証していきたい。

 お笑い好きの女子高生・ナオと、親友で天然ボケの美少女・マリアが芸人を目指し、オーディションを受けようとするところから話ははじまる。第1話なので、2人のキャラクター性がいかんなく発揮されており、マリアの天然ボケっぷりに、ナオのツッコミが冴え渡っている。

 たとえばこんな感じだ。オーディションを受けにきた2人。いよいよ出番のときを迎え、舞台に立つ。多くの客が見に来ていることに対して、緊張するナオ。しかし、マリアは観客たちを見て「すごいですね! 人がゴミのようですね」とまるで『天空の城ラピュタ』のムスカのようなセリフをはきながらはしゃぎ、ナオから「それはほめ言葉じゃないよ!」とツッコミを受けてしまう。

 全体的に、まるで漫才を見ているかのようなテンポのよいボケとツッコミで、見ているこっちも、思わず笑ってしまいそうになってしまう。また、絵のキレイさも特徴的だろう。作画は、現役声優でもある柚原有里が担当しており、声優とは思えないような絵のうまさを誇っている。ナオもマリアも非常にかわいらしく描かれており、その絵からは、ナオの元気さ、マリアのほんわかした雰囲気がおもしろいほどに伝わってきて、萌えられることは間違いない。

 現役芸人の天津向、現役声優の柚原有里という、まさに奇跡のタッグともいえる2人がつくりあげる『てんしんらん満』。まだ第1話で、これから先、どんな展開が巻き起こるのかはわからないが、その実力は確かなものを感じさせる。

 ぜひともこのまま連載を続けていって、アニメ化までこぎつけてほしいものである。天津向が、アニメ化芸人として活躍する日も、そのうちやって来るかも!?