人気の貧乏メシにポルトガル流料理登場!

食・料理

公開日:2013/2/16

 家にあるものや安い食材を使って、簡単に美味しいものが作れる貧乏メシ。昨年10月にドラマ化された『花のズボラ飯』(久住昌之:原作、水沢悦子:作画/秋田書店)も人気だが、少し違ったテイストを楽しんでみたいという人にオススメのマンガが登場した。1月30日発売の『くーねるまるた』(高尾じんぐ/小学館)には、なんと主人公であるマルタさんの母国・ポルトガル風の貧乏メシが登場しているのだ。

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 フランスやイタリア料理でもなく、ポルトガル!? いきなりポルトガル料理なんて言われても、食べたことがないのでどんなものがあるのかよくわからない。でもこの本によると、どうやらエッグタルトやオイルサーディン(イワシの油漬)、蟹のディップといったものがポルトガル料理のようだ。それでも、やっぱり貧乏メシでこんな外国のよくわからない料理を作ろうなんてまず思わないだろう。なんだか高価で特別な食材が必要な気がするし、手間もかかりそう。その食材を買うくらいなら、米をたくさん買ったほうがよっぽど節約できる気がするからだ。

 でも、マルタさんのレシピなら問題ない。貧乏メシのお供であるパンの耳でエッグタルトを作っちゃうし、蟹のディップを作るときも蟹をザリガニで、サワークリームを生クリームとヨーグルトで代用している。とっても簡単で特別な材料もほとんど必要ないので、ポルトガル料理だって立派な貧乏メシとして作れちゃうのだ。

 それに、実は魚介や米をよく使うポルトガル料理は日本人の口に合う親しみやすい料理だと言われているのだ。おまけに、ポルトガルにはそれさえあれば365日違った料理が味わえるというほど万能で、貧乏メシにぴったりな保存食がある。それが、バカリャウ(干し鱈)だ。ポルトガルの国民食と言えるほど広く親しまれているバカリャウは、ヨーロッパでよく使われる保存食で、鱈を塩漬けにして天日干しにし、乾燥させたもの。この本では、そんなバカリャウを使ったコロッケが登場する。バカリャウを水で戻して細かくほぐし、茹でたジャガイモや卵と一緒に混ぜる。あとはスプーンで形を整え、180度の油で揚げるだけ。とっても簡単なこの料理だが、ポルトガルではとてもポピュラーなもの。バカリャウは少し高価かもしれないが、このコロッケなら衣も調味料も必要ないので、普段のコロッケに飽きたり、ちょっと違った料理が食べたいと思ったときに試してみるといいだろう。一口食べれば、思わずマルタさんのように踊りだしてしまうかもしれない。

 そして、風邪をひいたときにオススメなのは、ポルトガル風の卵スープご飯「ソッパ・アレンテージャーナ」。みじん切りにしたにんにくをオリーブオイルで炒め、コリアンダーと水を加えて沸騰させる。塩やコンソメで味を整え、固くなったパンと生卵を盛った皿に注げばできあがり。お米がなくてお粥が作れないというときにはピッタリだ。風邪をひいているのにそんなもの作れない! という人は、カップうどんを沸騰させた日本酒とお湯を1対1の割合で作ってみて。ほんのひと工夫でも、食べると体があったまっていいそう。

 同じように、湯上りのビールをより美味しく味わう方法やお店の肉なしカレーにある材料を入れていつもとは違う味を楽しむ方法など、もともとあるものにひと手間加えて日々の食事を楽しんだりしている。

 お金がなくて貧乏だと、毎日同じものばかり食べたり、安さにこだわって美味しいものが食べられなくなってしまったりする。でも、マルタさんのようにもとあるものにひと手間加えたり、少しだけ具材にこだわってみるだけで、貧乏でも充実した食生活を送れるのではないだろうか。みなさんも、ぜひ一度試してみては?