イケメンモデル・栗原 類も!? 増殖中の「残念系男子」、その生態とは

暮らし

更新日:2014/4/14

 昨年大ブレイクした“ネガティブすぎるモデル”こと、栗原 類。イケメンモデルとして抜群の容姿に恵まれているにも関わらず、その発言すべてが後ろ向きという「残念系男子」だ。

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 「人は見た目じゃない」とはよく言ったものだが、どうしても見た目で判断されてしまう部分は大きい。取り立てて容姿が優れていない立場からすると、どうしても「イケメンは得で羨ましい」と思ってしまいがちだ。しかし、前述の栗原 類に代表されるように、見た目がよくても生き辛そうな人が存在することも事実。

 そんな「残念系男子」を取り上げた漫画で注目を集めているのが『関根くんの恋』(河内 遥/太田出版)。昨年発表された「第3回ananまんが大賞」で見事大賞に輝いた作品だ。

 主人公の関根圭一郎は30歳のエリート会社員。モデル並みの長身で、容姿も端麗。社内では女性社員から「目の保養になる」と言われ、合コンに行けば、その場の女性全員を夢中にさせてしまう。しかも、本人はまったくその気がないのにも関わらず、だ。ここまで読むと、「何の苦労も経験したことがない勝ち組」と思いがちだが、この関根は決してそうではない。心の底から夢中になれるものがなく、“鈍感・受け身・器用貧乏”の三重苦を背負っており、常に空虚感に苛まれているのだ。

 しかし、その美しい容姿ゆえに、彼に群がる女性は後を絶たない。彼自身、来るもの拒まず去る者追わずで、彼を求める女性にただ身体を差し出してきた。そして、「振り向いてもらえるなんて思っていない。そんな贅沢望まない」と言いつつ、彼の身体を求める数多の女性を相手にしてきた結果、「恋は醒めることのない悪夢」だと思うようになってしまう……。

 同作品では、そんな関根がひょんなきっかけで知り合った、手芸用品店の孫娘・如月サラに対して、本気の恋をしてしまう様子が描かれている。持って生まれたハイスペックさを発揮することができず、ウジウジ悩む関根の姿は、イケメンだろうがそうでなかろうが、共感できるはず。「残念系男子」が恋をすると、こうも難しいものなのか……と考えさせられるだろう。

 また、関根とは違った意味での「残念系男子」が登場するのが、『だから金田は恋ができない』(和深ゆあな/講談社)だ。同作に登場するイケメン・金田は“感情”というものを理解できない超ロジカル人間。理事長代理として就任した桜ヶ丘美大で、学生たちの気持ちを理解することなく、平気で「授業料の50%引き上げ」を宣言したりするのだ。しかし、才能もなくただ絵が好きという理由でひたすら頑張る主人公・アコと触れ合ううちに、少しずつ感情を理解するようになっていく。

 このように、文句なしの見た目を持ちながらも、中身にどこか問題を抱えている「残念系男子」たち。しかしながら、容姿端麗・性格良好な完璧人間よりも、はるかに人間らしく、どこか愛おしさすら覚えてしまう。そういう意味では、「残念系男子」は決して残念なわけではないのだろう。

文=磯田大介(OfficeTi+)