なぜ? BLでAV業界のお仕事が人気の理由とは?

BL

2013/2/19

 仕事で関わっていても「恥ずかしいこと」だと言われたり、あまりいいイメージを持たれないAV業界。でも、BLにおいてはそんなAV業界が大人気なのだ。

 売れっ子AV男優のヒカルが登場する『シャイニースター』(七海/フロンティアワークス)や、AV監督・十亀の恋を描いた『キャッスルマンゴー』(小椋ムク:著、木原音瀬:著/東京漫画社)。元ポルノスターで、今はゲイビデオ制作会社の社長をしている苦味が出てくる『新宿ラッキーホール』(雲田はるこ/祥伝社)など、人気作の中にもAV業界の人々が活躍するものがたくさんある。

 そこで、今回はBLにおいてAV業界がこれほどまでに人気を集める理由を探ってみよう。

 まず、AVのお仕事をするそもそもの動機。先ほど「大人気」と書いたが、自ら進んでAV業界に入ったという人は実は少ない。実際、『新宿ラッキーホール』の苦味も親の借金のせいでゲイビデオに売られることになったし、『キャッスルマンゴー』の十亀だって映画を撮ることが夢で、もともとAVを撮りたかったわけじゃない。『シャイニースター』のヒカルも、恋人とセックスしたビデオが売られたことでAVデビューしてしまっただけ。それでも、仕事と割り切ってむしろ楽しんじゃう苦味や「適当にやってるモンは適当にしかならないんだよ」と言って、AVだろうがなんだろうが真面目に撮影に取り組む十亀。ヒカルだって、気分転換のために買い物に出かけたはずなのに、結局撮影用の衣装を大量に買い込んでしまうのだ。周りになんと言われても自分の仕事に誇りを持ち、ストイックに取り組む姿勢はとても魅力的。

 また、性に対して自由でどん欲なところも、このお仕事ならではだろう。AV監督や男優として活躍しているので他人の性行為も見慣れているし、いろんな人とエッチもしているので性に対してほとんど抵抗がない。『キャッスルマンゴー』の十亀は初対面の高校生のズボンをいきなり下ろしちゃうし、『新宿ラッキーホール』の苦味なんてAV男優として使えるように仕込むため、初対面の相手とでも平気で寝ちゃうのだ。

 しかし、そんなAV業界にいる彼らだから、本人たちも性に対して全て緩いのかと思いきや、そうでもない。『シャイニースター』の新人男優・雅也は、たまたま見ていたAVでヒカルに心奪われ、彼を抱くためだけにAV業界に入った。『キャッスルマンゴー』の十亀も、相手が高校を卒業するまでは手を出さないと決めているし、『新宿ラッキーホール』の苦味だって、誰と寝ても変わらないくらい一途に相手を思っている。そのギャップに萌える人もたくさんいるはず。

 そして、他の誰がどんな人とエッチしていても、そのシーンを見ていてもなんとも思わないのに、気になる相手が他の誰かに犯されているシーンを見たことで好きだと自覚することもある。実際、『シャイニースター』の雅也だってヒカルには1度も会ったことがなかったのに犯される彼を見て惚れてしまったし、ヒカルも雅也の撮影現場で意識してしまう。『新宿ラッキーホール』の苦味は仕事のためだったら誰とでも寝るけど、本当は自分を守って育ててくれた元ヤクザのサクマが大好き。サクマもサクマで、普段はそっけないくせに苦味に惚れてるスタッフが彼と寝るとそのスタッフに「アレは俺のなんだ」と脅しをかける。AVという性を扱う場だからこそ、鈍感な人でも自分の恋心を自覚できるし、彼らの中に潜む「自分のものにしてしまいたい」というピュアな欲求を燃え上がらせる。彼らの心と身体に火をつけ、本能の赴くままに動かすためには、AV業界はもってこいなのかもしれない。

 意外と一途で熱い男たちがそろっているAV業界。みなさんも、ちょっとのぞいてみては?