友だちが100人できれば幸せ? どこからが友だち?

人間関係

更新日:2013/2/21

 「友だち100人つくる!」

 子どもの頃には有名なあの歌詞同様、そんな夢や目標をもっていたという人もいるのでは?

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 1月19日に発売された『キミにともだちができるまで。』(保谷 伸/徳間書店)でも、同じように友だち100人つくることを目標に頑張る小学1年生の男の子・龍太郎が登場する。しかしこの龍太郎、実は幼い頃に母親を亡くし、保育園にも通えなかったので極度の人見知りになってしまい、父親以外とは筆談でしか話せなくなってしまっていたのだ。そんな彼が、外面はいいけど「無駄」と「面倒」が何より嫌いな従姉弟の高校生・清之助に友だちを作る方法を教わっていく。

 まず、みなさんは誰かと友だちになりたいとき、何から始める? ここでは、「大きな声で挨拶」することから始まるのだ。だけど、もともと無駄が嫌いな清之助は「挨拶しなくてもいるのはわかるしあんな大声出すのに何の意味があるんだろ」なんて思っていた。でも、つきまとってくる龍太郎を追いやるため、意地悪でそんなことを言ったのだ。挨拶なんて簡単だと思うかもしれないが、筆談でしか話せなかった龍太郎がいきなり誰かに大きな声で挨拶をするのはとても難しい。そして龍太郎は、友だちが欲しい一心で勇気をだして挨拶するのだ。挨拶ひとつで何が変わるのか。そう思う人もいるかもしれない。でも、やはり話をするきっかけを作らなければ何も始まらない。誰かと友だちになりたいと思うなら、まずは龍太郎のように、勇気をだして挨拶することから始めよう。

 では、毎日挨拶を交わしただけで果たして友だちと言えるのだろうか? ということで、お次は「いつも一緒にいて同じ時間を過ごす」ことを目標にしたり、「人助け」をして、困っている子に手を差し伸べるために奮闘する。だけど、引っ越して離れ離れになったらもう友だちじゃないのだろうか。日直を手伝ったり、困っているところを助けなければ、友だちとは呼べないの? そんなふうに、彼らは“友だち”について考えていく。

 たしかに、明るく社交的な人には友だちもたくさんいる。だからと言って、口下手だったり人見知りの人に友だちができないわけじゃない。友だちを作る方法なんていくらでもあるし、友だちになったきっかけだってバラバラだろう。どこからが友だちかなんて、人それぞれだ。

 これは何も、友だちづくりに限ったことではないのだ。誰もが楽譜通り上手に歌ったり演奏できるわけでも、野球で活躍できるわけでもない。でも、楽譜を読めなくても歌えるし、キャッチボールをすることだってできる。たとえ「まわりの当たり前ができないからってそれができてないってことじゃない」のだ。人には、それぞれのやり方。ペースがある。友だちを作る方法だって、1つじゃないのだ。だから、龍太郎のように筆談を使っていても、清之助のように不器用で鈍感でも構わない。自分のペースで一歩一歩進んでいく2人を見習って、みなさんも友だちについて考えてみては?