ネタ? 本気? ドM男子の本物度は視線でわかる!?

マンガ

更新日:2014/4/14

 「SかMか」という話題はいろんなところで話のネタとして使われるが、「ドM」と聞くと、相手に好きなように扱われて痛めつけられるのが好きな人を想像するのでは。でも、1月30日に発売された『囀る鳥は羽ばたかない』(ヨネダコウ/大洋図書)や『薫りの継承』(中村明日美子/リブレ出版)、『飴と鞭』(内田カヲル/竹書房)といったBL作品では、さらに上をいくドM男子たちが登場する。

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 まず、『囀る鳥は羽ばたかない』に出てくる矢代はヤクザである真誠会の若頭だが、部下に「ドMで変態」「淫乱ネコ」「幹部の公衆便所」などと噂されるほどの変態だ。事務所でも平気で男とするし、組で出所祝いの会合があっているときでも、そこにいるヤクザに思いっきり迫られている妄想をして「あー…いいな」なんて思っている。生まれて初めて惚れた相手も他の男とくっつけようとするし、気に入った相手の前で、他の男との絡みを見せつけたりもするのだ。そして、わざと相手を怒らせるようなことを言い、その怒りに歪んだ顔、睨みつける鋭い眼光にゾクっときて興奮する。

 また、『薫りの継承』に出てくる義兄の忍だって、自分の妻と同じ香水を身にまとい正体を偽った義弟の竹蔵に目隠しをされてヤられても感じてしまう。その後すぐに竹蔵が家を出ても何も言わず、何事もなかったかのように1年後には竹蔵が営むレストランに出向いてわざわざ彼に給仕させる。おまけにワインセラーを見せて欲しいと言って竹蔵に案内させ、そこに着くと自らネクタイで目隠しをして竹蔵に背を向けるのだ。普段は、竹蔵に対して冷たい視線しか送らず、そのたびに竹蔵は刃物で切り裂かれるほどの痛みを味わっていたという。でも、忍は昔から自分を見つめる熱い視線に気づいていた。だからこそ、その視線にやられていたのかもしれない。

 さらに『飴と鞭』の中学教師・上総も、中学生の教え子である長谷川にいいようにされ、学校でいたずらされても、どんなに罵られても「お前だけに…こうして欲しい…」なんて思ってしまう。何よりも、彼の蔑んだような目に惹かれているのだ。上総は、長谷川が落とした消しゴムを拾おうとして伸ばした手を彼に踏まれ、授業中にも関わらず真っ赤になって見つめてしまう。そんな反応をされたら、長谷川がもっといじめてみたくなるのも仕方がない。

 一見、クールだったりゴツイ彼らは特別かわいいわけでもないし、とてもMなんかには見えない。しかし、内に秘めた“虐げられたい”という欲求が彼らの視線には混ざっている。だから、相手も強気な態度をとる彼らを、思わずめちゃくちゃにしてみたくなるのだろう。攻めは自分が好き勝手にやっていると思っているのかもしれないが、実はすべて受けの思惑どおり。彼らは相手の視線1つで感じてしまう。本当のドMは、もともとそれほどSっ気があるわけじゃない相手でも、Sに目覚めさせてしまえるほどの魅力を秘めている。どんな相手でも、彼らの手にかかればもう逃れられないのだ。あなたも彼らの視線に魅了されてみては?