作家・鈴木光司氏も体験&絶賛! 本好きのためのシンプル電子書籍リーダー「Lideo」の魅力
更新日:2013/8/13
電子、そしてリアルの世界へ侵食する「リング」ワールド
徐々にではあるが、確実にシェアを伸ばしつつある電子書籍。すでに既刊本は電子書籍化されている鈴木さんだが、この3月からはいよいよ電子書籍媒体での連載をスタートすることになっている。
「『小説屋sari-sari』という角川書店発行の電子雑誌で、「リング」シリーズの新しいエピソードの連載『タイド』(前作『エス』の続編)を始める予定です。時代設定は1994年。主人公は第1作にも出てきた高山竜司で、彼が「リング」ワールドの根幹に関わる貞子の謎を追っていくというストーリーなんだけど、今回は日本の古代――縄文時代にまで遡っていくことになります。最初のヒントは、高山が偶然発見した二進法のデジタル暗号。それが古代とどう関わってくるのか、それは読んでのお楽しみですが、なかなかおもしろいことになると思いますよ」
不敵に笑う鈴木さん、それこそまるで高山が憑依したようだったが、新たな「リング」ワールドはそれだけでは終わらない。5月には短篇『レモンハート』をベースにしたオリジナルストーリーで舞台化されるのだ。しかも、演じるのは劇団EXILEというのだから二重の驚きである。
「僕は学生時代に演劇をやっていたんですよ。演じる方じゃなく、演出や脚本などの裏方として。だから、ずっと芝居をやりたいと思っていたんです。今回はそれが実現するということで、かなり凝った内容にするつもりです」
上演場所は新国立劇場。観客はその小劇場――通称The Pitで劇団EXILEが行うゲネプロ(舞台上で行う最後の全体リハーサル)に招かれた、という設定になる。そう、この舞台では観客も登場人物のひとりになるのだ。
「『あなたは公開でEXILEのゲネプロを見ることができる、選ばれた人です』ってところから物語が始まるの。でも、見ているうちに、どんどんおかしなことが起こっていく。その現場に観客が立ち会うことになります。……ところで、知ってた? Pitって英語には「井戸の立て坑」という意味があるんだよね」
井戸、それは「貞子」が生まれた場所。現実の場所にある貞子との因縁を巧みに利用した虚実のあわいで恐怖のエンターティメントが繰り広げられる、というわけだ。情報によれば、なんとあの「呪いのビデオテープ」が舞台上で再現されるとか。どうなるのかちょっと想像がつかないが、ファンならこれを見逃すという手はない。
小説『リング』が世に出てすでに22年。四半世紀近く経とうというのに、その作品世界はまだまだ進化し続けている。
「紙の本、電子書籍、映画、舞台と媒体はいろいろ変わるけど、作家としての僕がやることは受け手がおもしろい、手元において何度でも読みたい、劇場に足を運んででも見たいと思ってもらえるような作品を作ることだけ。そうした地道で当たり前なことが今の世の中では最良の手段になるんじゃないかな」
取材・文=門賀美央子 写真=首藤幹夫
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Lideo(リディオ)
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同日の同時刻に苦悶と驚愕の表情を残して死亡した4人の少年少女。雑誌記者の浅川は姪の死に不審を抱き調査を始めた。――そしていま、浅川は一本のビデオ テープを手にしている。少年たちは、これを見た一週間後に死亡している。浅川は、震える手でビデオをデッキに送り込む。期待と恐怖に顔を歪めながら。画面に光が入る。静かにビデオが始まった……。恐怖とともに、未知なる世界へと導くホラー小説の金字塔。
幼い息子を海で亡くした監察医の安藤は、謎の死を遂げた友人・高山竜司の解剖を担当した。冠動脈から正体不明の肉腫が発見され、遺体からはみ出た新聞紙に書かれた数字は、ある言葉を暗示していた。……「リング」とは? 死因を追う安藤が、ついに到達する真理。それは人類進化の扉か、破滅への階段なのか。史上かつてないストーリーと圧倒的リアリティで、今世紀最高のカルトホラーとしてセンセーションを巻き起こしたベストセラー。