アレがナニに見える…意味深な画像を集めた「ジワジワシリーズ」が人気

エンタメ

2013/3/1

 パチンコ店のネオンで「パ」が消えていて、ひとりほくそ笑んだり、果物や貝のかたちが何かに見えてしまったり、子供や動物の無邪気な行為に大人のある行為を連想して赤面してしまったり、ふとした瞬間に、何気ないものが別の意味を持って見えてしまうことがある。特に性に興味津々の思春期の頃は、頭の中はそんなことでいっぱいだ。これが大人になったら静まるかというと、そんなことはなく、視覚は常にチラリと何かが見えてしまわないかとサーチし続けているのだ。ちょっと悲しい気もするけれど、それが人間の性(さが)。ただし、そこでいちいち興奮しないのが大人の理性。ここは紳士淑女らしく、ひとりにんまり錯覚を楽しみたい。

 偶然なんだけど、別の何かに見える。こうした意味深な画像を集めたジワジワシリーズが好評だ。その画像がどう見えているかというコピーが一言添えられることで、爆笑とまではいかないジワジワとした笑いが押し寄せる。面白いでしょ! という押しつけがましさがなく、さりげない脱力感がたまらない。

 15万部突破のこの人気シリーズ第4弾が、1月25日に発売された『ジワジワ来る ウフウフ』(片岡K/扶桑社)。画像セレクトと文を手がける片岡Kは、深夜番組やドラマの演出を手がけた後、綿谷りさ原作の『インストール』で映画監督デビューした映画監督・演出家・脚本家。これまでに溜め込んでいたオモシロ画像にコピーを付けてTwitterに配信したところ、フォロワーに大ウケし、単行本化されるにいたった。第3弾からテーマが設けられようになり、第4弾のテーマは満を持して「愛」。というか冒頭で述べた下ネタである。結局これこそが人間の脳が1番反応しやすい視覚の連想で、1番やりたかったことはコレでしょ! とツッコミを入れたくなる充実度なのだ。

 何かの形がハートマークに見えるといったロマンチックな画像もあれば、露骨なまでにアソコや大人の行為を想起させる画像もある。だけど、直接的に卑猥な画像は一切なし。ちょっと間の抜けたムードがファニーだ。もしこれを卑猥でケシカランと感じるとしたら、あなたが卑猥なことを考えていることになるので、笑ってスルーしよう。こうした画像がズラリ517点。それにしてもよくこれだけクオリティの高いオモシロ画像を集めたものだと驚愕する。

 ずっと眺めていると、下ネタなのにジワジワと生きとし生ける者の「愛の姿」のように見えてくるから不思議だ。生き物にとって性欲は種の保存のために必要な本能。だから私たちは性を意識したとき、胸がときめく。この心理メカニズムを本書は「ウフウフ」と表現しているのだろう。何かをチラリと見て、一瞬ウフウフと想像してしまう自分……可愛いもんじゃないですか。

 海外旅行に行くと、語学力不足で込み入った会話はできなくても、単純な単語を組み合わせたエロトークで現地の兄ちゃんとわかりあえたりする。互いの性的好みを確認し合うと、なぜか人間って笑っちゃうんですよね。そして、笑いは親密さを生む。本書はまさにその感覚。世界中の人がひと目で画像の意味を理解するはずだ。ジワジワと来るピースフルな世界をわかち合おう。

文=大寺 明