日本でも海外でも人気! 本好きが集う「ブクブク交換会」とは?

文芸・カルチャー

2013/3/7

 今、ネットを中心に読書好きの注目を集めているイベントがある。参加メンバーが本を持ちよって交換し合う「ブクブク交換」、つまりは本の交換会だ。『ダ・ヴィンチ』4月号では、日本全国のみならず海外でも開催されているという人気のイベントに潜入取材を行っている。

 20代、30代のネットユーザーを中心に、今読書会がひそかなブームを呼んでいる。やや敷居が高かった従来の読書会に比べ、オフ会感覚で気楽に参加できるのが、近年の読書会の傾向。ネットから生まれたさまざまなスタイルの読書会が、「本について語れる仲間がほしい!」という本好きの思いに応えている。

 そんな中にあって、とりわけ話題を集めているのが2010年2月よりスタートした「ブクブク交換」というイベントだ。イベント名の由来は「BOOK」と「物々交換」から。持ちよった本を紹介するだけではなく、互いにプレゼントしあうところに大きな特徴がある。イベントであなたが紹介した本は誰かの手に渡り、その代わり興味をもった本を持ち帰ることができるのだ。発案&主宰者のテリー植田さんはこう話す。

 「ツイッターは短文で交流しあうテキスト文化です。実はツイッターと本って相性がいいんじゃないかなと気がついて、ツイッター発の読書イベントを企画しました。といってもただ集まるのでは工夫がない。『サン・ジョルディ』という本を贈りあうスペインの風習にヒントを得て、本の物々交換というスタイルを取りいれたんです」

 こうして始まった「ブクブク交換」は、着実に参加者を増やしてゆき、日本全国に拡大。今日まで国内だけで25都市、さらにはフィレンツェやロサンゼルスでも開催されるほどの大きなムーブメントとなっている。

 「参加したら開催してみたくなる、という声をよく聞きます。場所さえあれば、誰でも開くことができる。無料のコミュニケーションツールとして、いろんな場面で役立ててもらえると嬉しい」

 では、実際に「ブクブク交換」はどんな様子で行われているのだろうか? 私たちは2013年2月1日に開催されたイベントに足を運んでみた。

 この日の会場は新宿ゴールデン街にあるバー「HIDE」。書店や図書館などさまざまな場所で開催されている「ブクブク交換」だが、バーやカフェで賑やかに飲食しながら、ということも多いそうだ。お店の扉を開けると、すでに参加者がテーブルを囲んでおしゃべりに花を咲かせていた。

 午後8時。いよいよイベントがスタート。まずはテリーさんの音頭で乾杯を。金曜の夜ということもあって、会場にはリラックスした和やかな雰囲気が漂っている。9人の参加者が持ちよった本を紹介したうえで、交換するというのがイベントの大まかな流れ。持ちよる本には毎回テーマがあって、ぴったりの本を見つけるのも「ブクブク交換」の醍醐味だという。

 今回のテーマは「新宿」「愛」「2012年ベスト」の3つ。さあ、どんな本が紹介されるのだろうか?

 同誌では実際の交換会の様子を掲載。注目すべきはどれも、「見知らぬ誰かにすすめるための本」だということ。趣味も嗜好もわからない相手に、その魅力をどう伝え、誰とどんな本を交換するのか? 新しいコミュニケーションの形に注目が集まる。

構成・文=朝宮運河
(『ダ・ヴィンチ』4月号「100人100様「本」を贈る」特集より)