女子は集まって何をしゃべってる！？　ガールズトークの妄想と現実

　女子が2人以上集まれば、自然と始まるガールズトーク。スマホのアプリでも、女性限定で悩み相談できる『ガールズトーク』が大人気。なかでも、やっぱりメインは恋愛について。しかし、ガールズトークが好きなのは女子だけじゃない。女の子が集まってガールズトークを繰り広げるマンガに萌えている男子たちもたくさん。でも、ちょっと待って！ それって、本当にガールズトーク？

　男子たちはガールズトークにどんな夢を描いているのか。ほんとのところ、女子たちは集まって何をしゃべっているのか。

　そこで、アニメ化が決まった『恋愛ラボ』(宮原るり/芳文社)や『中2限定！？ ガールズトーク』(坂巻あきむ/芳文社）といった萌えるガールズトークと女子校出身の作者が実体験をもとに描いた「女子高生」シリーズ（大島永遠/双葉社）や『おんなのこの正体』（安彦麻理絵/ベストセラーズ）のリアルなガールズトークから、その差を比較しちゃいましょう。

　まず、生徒会長である真木夏緒の「恋がしたい！」という思いから恋愛研究を始めた『恋愛ラボ』。生徒会のメンバーを中心に、「曲がり角での上手なぶつかり方」や「手のつなぎ方」を実践で練習したり、気になる相手の気を引くため、彼の好みの女性を演じてみたりする。曲がり角でぶつかろうとする女子、手のつなぎ方を練習する女子、もし実在したらカワイイだろう、実在したら……。

　逆に『おんなのこの正体』で語られるのは、男に「彼氏いるの？」と聞かれた時の答え方。「男の目を直視しながら『いる…（3秒おいて）って言ったらもう会えない…？』と、寂しげに言う」など、巧妙かつ実用的なテクニックが語られているのだ。男性の気を引く仕草は、実はこんなふうにガールズトークから得たテクニックなのかも？

　また、ガールズトークでは恋の手助けも行われている。『恋愛ラボ』で気になる相手への恋心をなかなか認めない会長補佐の倉橋莉子には、みんながよってたかって「とうとう好きになっちゃったか」「ウダウダしてたら誰かにとられるわよー」「また失恋したら立ち直れないんじゃない？」などと、ちゃかしながらも応援してくれる。『中2限定！？ ガールズトーク』でも、先生に恋している桃里ゆずのため、占いでアドバイスしたり、先生も誘ってクリスマスパーティーを開いたりしてくれる。

　しかし、『女子高生』では文化祭で彼氏ができた子に、「友達に彼氏ができるなんてめでたいことじゃない　だから祝福の証として――本人ごと燃やしてあげようねー」なんて言いながらキャンプファイヤーのなかに入れようとしたり、デートのたびにことごとくメールを送ったり偶然を装って乱入し、妨害しまくる。「で？ あんたらどこまでいってんの？」と聞いて、3カ月付き合ってキスもまだだと知ると「奴はインポか」「だな」なんて言いだす始末。男ができた途端そっちを優先するような人には、容赦しない。もちろんさみしいのもあるが、男に興味はなくても友だちに先を越されるのは悔しいのだ。

　それに、『中2限定！？ ガールズトーク』のゆずは先生に恋して一生懸命アピールするが、『女子高生』ではテスト問題を教えてもらうためにわざと誘惑して「セクハラされた」と脅す。女の子は、平気でそんなことができちゃうくらい怖い存在なのだ。

　おまけに、先生に振り向いてもらうために一途にがんばるゆずとは違い、『女子高生』では彼氏がいても、合コンに誘われれば「言わなきゃバレない！」「だよねーっ」ってノリで行っちゃう。

　雑誌で見るのも占いやおまじないなんかのページじゃなく、通販ページにあるバイブについて「こんなモノを目の前にドーンと置かれたところで萌えるか？」「燃えない」「萌えない」なんて言いながら盛り上がる。

　さらに歳を重ねて経験を積めば、『おんなのこの正体』のように赤裸々にセックスについて語り、彼氏とのことだってネタにされるし、相手がどこかで覚えた小技をバカにして笑いものにしたりもするのだ。

　これで、少しはガールズトークの妄想と現実を理解していただけただろうか？ ショックを受けてしまったみなさんは、もう一度妄想ガールズトークの世界で癒されてみよう。そして怖いもの見たさのみなさんは、よりディープなリアルガールズトークの世界を覗いてみては？