なんで? イケメンなのに地味なコと付き合う理由とは?

BL

公開日:2013/3/17

 街ですれ違ったカップルを見て、「え? なんでイケメンなのにこんな子と?」とか、「こんなにかわいいのに相手…」なんて思ったことはないだろうか?

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 芸能人の中にも女優と芸人のカップルや「なんでこの組み合わせ?」と不思議に思えるような、真逆カップルがいる。そんな格差カップルは、実はBLにもたくさんいるのだ。特に、クラス1の人気者や目立つグループの中心にいるイケメンタイプと、教室でも本を読んだり絵を描いて過ごすような地味なタイプの組み合わせは人気。2月9日発売の『混色メランコリック』(ゆき林檎/リブレ出版)や2月20日発売の『つまらない二宮さん』(平眞ミツナガ/ジュリアン)、『とろける半熟友情クエスト』(スナエハタ/幻冬舎)にも、そんなイケメン×地味メンカップルが登場する。でも、そんな格差カップルはどうして生まれるのだろう?

 普通、美女やイケメンと地味でイマイチなカップルを見ると、地味な子の方が必死にアプローチして付き合ってもらっているのだろうと思うかもしれない。でも、実はそうじゃない。最初に相手のことが気になって話しかけるのは、むしろイケメンの方なのだ。

 『とろける半熟友情クエスト』では、クラスのアイドル的存在である司が突然夕樹に「今日放課後ヒマ?」と声をかけ、彼の家で勉強会をすることに。そこで、「すんげー勉強できるのにおごったりしないのカッコいいし女子の雑用代わってやったりとかほかの誰もやらねーようなことサラッとやっちゃうし」と褒めまくるのだ。

 また、『混色メランコリック』の陸上部エース・西村だって、宮下の絵を見て「キレイだなー」と話しかけてくるし、「オレこんくらいしか特技ないし…」「…地味だし暗いし人見知りだし」と言う宮下に「いやいや心がキレーなんでしょ」「じゃなきゃこんだけキレイなもん描けんでしょ」と言って自信をくれた。『つまらない二宮さん』でも、店で飲んでる二宮のもとにきらびやかなイケメン・佐田が「すいませんここいいですか?」と声をかけたことで始まる。「つまんない」と言われてフラれた二宮に「二宮さんはおもしろいよ一緒にいると楽しいよ」と言ってくれるのだ。普段周りから注目されていない地味メンたちは、相手に「自分だけが彼の良さを知っている」という優越感を抱かせてくれる。逆に、イケメンも地味メンに「自分のことをちゃんと見てくれている」という幸福感を与えてくれるので、彼らの相性はピッタリなのだ。

 また、イケメンに気に入られても「自分なんて」と卑屈になり、遠慮してしまうところも地味メンらしい。イケメンタイプには、たくさんの人が寄ってくる。なかには、グイグイくるタイプも。そんななかで、地味メンの控えめなところは新鮮に映るのだ。

 『とろける半熟友情クエスト』の夕樹も「司くん人気者だしさなんか俺なんかが独占しちゃったら司くんの友達に恨まれちゃいそうで…」なんて引け目を感じてしまう。『混色メランコリック』の宮下も「キラキライケてるグループ」の西村と「ヒッソリさえないグループ」の自分は対極にいると思ってたし、いきなり話しかけられてちょっと怯えていたほど。『つまらない二宮さん』でも、二宮さんは佐田を見て「きっとこの人はつまんない奴とか言われたこと無いんだろうなあ――」と思うし、同じく『つまらない二宮さん』のコンビニ店員・高間も新人として入ってきた仙波を見て「チャラそう」とか「ホストみたいな人だな」なんて思っている。そんな彼らだが、自分には似合わない。自分とは別世界の人だと思いながら、それでも自分のことを想ってくれる相手に惹かれていってしまうのだ。

 でも、イケメン×地味メンカップルの醍醐味は、なんと言っても普段余裕たっぷりなイケメンが、地味メンのせいで慌てたり、余裕をなくした姿を楽しめるところ。『とろける半熟友情クエスト』の司は、他の女子が「実は私ちょっと気になってるんだよね」と言っているのを聞いて、「女子に取られちゃう」と思って焦る。おまけに、いつも夕樹の話ばかりするので「司くん俺の話ばっかりじゃんか…」と言うと、真っ赤になって「わ悪いかよ!」と照れまくるのだ。『混色メランコリック』の西村も、宮下に急に避けられて「嫌われたらどーしよとか何か嫌なことしたっけ」とぐるぐる考えて「あー本当マジビビるから!!」と怒る。それに、個展を開いている宮下に、展示を見てファンになったという女性が名刺を渡そうとしているところを見たら、とっさに奪って逃げてしまうのだ。

 また、『つまらない二宮さん』の佐田も、普段はドSで二宮をからかって遊んでいるのに「おもしろそうだから付き合うつまんなかったら別れる」と言われたことを気にして、「逆に聞くけど俺っておもしろい?」「今更ながらつまんなかったら困るなぁって思って」と真面目に聞いてくる。同じく『つまらない二宮さん』に登場する仙波も、高間が突然バイトを辞めると知って落ち込み、普段は敬語なのに必死に励まそうとする高間に対して「そういう問題じゃねーよ」と声を荒げてしまう。高間が他の男に言い寄られているときも「こんな奴ほっといて行こう」と焦って引きずりながら立ち去ろうとするし、「…幻滅してない?」なんて情けないことを言っちゃうのだ。

 普段はモテモテなイケメンたちの、意外な一面が見られるこの組み合わせ。みなさんも、彼らの素顔を覗いてみては?