ラノベ界で“大食い”ヒロインが定番化!?

マンガ・アニメ

2013/3/23

 この春、劇場版が公開中の『とある魔術の禁書目録(インデックス)』(鎌池和馬:著、灰村キヨタカ:イラスト/メディアワークス)。2004年に第1巻が発売されて以降、ライトノベルの累計巻数は30巻に達するほど膨大なシリーズで、2008年と2010年にアニメ化もされているだけに、オリジナルストーリーによる劇場版にも大きな注目を浴びている。

 ところで、この作品に登場するメインヒロインのインデックスは、幼児体型で年齢不詳のシスターという見た目に反して、いつでもどこでもお腹をすかせており、その食べる量は底がない、という側面を持っている。はっきり言えば「大食い」だ。

 実は、ここ数年の作品において、こうした半端ない食欲の持ち主であるヒロインが結構な頻度で登場している。インデックス以外にも、清楚を維持しながらものすごい速さで食べ物を口に入れていく『Fate/stay night』(西脇だっと:著、TYPE-MOON:その他/角川書店)のセイバーや、校則違反と注意されながらもどこからともなく所持していたお菓子やジャンクフードを出しては四六時中間食ばかりしている『めだかボックス』(暁月あきら:著、西尾維新:原著/集英社)の不知火半袖、昼のお弁当が段重ねの特大お重で、それを毎日軽々と平らげる『星空へ架かる橋』(森崎くるみ:著、feng:その他/角川書店)の中津川初などがそうだ。

 大昔の「大食い」少女というと、中年層であれば『オバケのQ太郎』(藤子・F・不二雄/小学館)に出てきたU子のような男勝りで豪快なキャラをイメージしてしまうし、もし、リアルでギャル曽根ばりに食べまくる女性がいたら、正直、引いていしまうかもしれない。だが、ここに挙げた2次元の「大食い」ヒロイン達は、むしろ、見た目は痩せていたり小柄である。そんな娘たちが、想像を超えた食欲を披露することが、いわゆる“ギャップ萌え”となっており、愛らしい食べっぷりと相まって、人気のキャラ特性として確立してきたようだ。

 そんな中、次に風が吹きそうな期待の“大食い”ヒロインがいる。『変態王子と笑わない猫』(さがら総:著、カントク:イラスト/メディアファクトリー)に登場する筒隠月子(つつかくしつきこ)という少女だ。

 『変態王子と笑わない猫』は、2010年の第6回MF文庫Jライトノベル新人賞にて最優秀賞を受賞したライトノベルで、同年に第1巻刊行後、コミック化もされ、4月からアニメ放送が開始される。

 ストーリー自体は、元来、喜怒哀楽が旺盛で本音がすぐ表に出てしまう月子が、もっと大人になりたいと思い、願いを叶えてくれるというウワサの一本杉の猫像に「本音が表に出なくなるように」と願ったところ、今度は一切の感情が顔に出なくなってしまうところから始まる。逆に、その件に一枚噛んた主人公・横寺陽人は、元々建前ばかりでうそやごまかしばかりしている男子高校生で、それがなくなるよう月子と一緒に祈ったところ、逆に本音丸出しの変態野郎になってしまう。2人はともに元の自分を取り戻そうと奔走する…という流れなのだが、そのストーリーにおいて、とにかくヒロインの月子が小学生に間違えられてしまうほど小柄な高校生にも関わらず、モリモリ食べ物をを食べる姿が頻繁に登場するのだ。

 そもそも、猫像に祈るためのお供えとして用意していたのが、袋に入った大量の肉まんであったところに始まり、アニマル和風喫茶で注文した食べ物を全部食べてしまったり、午前中に大きな箱のお弁当を平らげたあとにお昼は二人前ほどありそうな山盛りのカルボナーラを食べるなど、ストーリーの随所においてさまざまな大盛り料理をぺろりとお腹に入れ込む彼女の姿が描写されている。

 ちなみに、アニメ放送を4月に控えた現在、深夜アニメのCMとして放送されている番組予告『へんねこBBS』においても、毎回何かしら食べ物を食べている月子が登場中だ。

 アニメ放送にタイミングを合わせる形で、3月22日にはライトノベルの最新第6巻が、23日にはコミックも最新4巻が続けて発売された『変態王子と笑わない猫』。人気ライトノベルの満を持したアニメ化により、ヒロイン・月子人気が上がれば、必然的に“大食いヒロイン”のキャラ特性はさらに確立されるだろう。4月からの彼女の人気ぶりに要注目だ。

文=キビタキビオ