リア充と非リア充の差は、伝え方にあった!?

人間関係

2013/3/23

 コミュ障必見! そんな本が3月1日に出版された。その名も『伝え方が9割』(佐々木圭一/ダイヤモンド社)。この本の著者は、日本人で初めて、米国の広告賞One Show Designでゴールド賞を獲得し、またカンヌ国際クリエイティブアワードでシルバー賞他計3つの賞を獲得、アジアで最も成功したと評価され、AIMアワードグランプリを獲得した、超すご腕のコピーライター。まさに雲の上の人、リア充か非リア充かでいえば、もうまごうことなきリア充、だろう、たぶん。

 しかし、じつはこの人、典型的なコミュ障だったらしく、また文章を書くことも苦手だったそうだ。そんな筆者が、コピーライターになれたのは本当にたまたまで、博報堂の大量入社にもぐりこんだ後に偶然配属されたそう。まさに運命のいたずら。「人生の本当の辛さはここからでした」と語るとおり、文章の書き方、漢字もろくに知らないなかでのコピーライター業はとても過酷だったそうだ。ストレスのため、わずか1年で10キロも太ったという事実だけでも、その辛さが感じられるだろう。そんななかで、どうやって売れっ子のコピーライターになれたのか。それは、人の感情を揺さぶるあらゆる「コトバ」には法則があると気づいたからだという。その法則を惜しげもなく披露しているのがこの本というわけだ。

 たとえば、好きな人をデートに誘うとき、どうゆうコトバを選べばいいか。ストレートに言うなら「どう、今度デートでもいかない」だろう。しかし、これが許され、尚且つ成功するのはイケメンだけだ。「Shit!!」と思うのは後にしてほしい。では、異性を相手にした場合、汗が尋常じゃなく溢れ、心臓はバクバクし、ろれつもまわらない、ザ・挙動不審の非リア充はどのようにすればよいのだろうか。「デュフフフ、今度、わ、私めと、でででデートにいかないでござるか?」なんて言えば、最初の「デュフフフ」の時点で平手打ちされることは確実だろう。

 まずは、落ちつくことからはじめよう。そして、相手が「何を欲しているか」を考えるのだ。とりあえず今回は、事前に相手の情報として「イタリアンが好きすぎて、夜も眠れない」というものをキャッチしていたとする。じゃあ、あとは簡単だ。「めちゃうまのパスタが食べられる店があるんだけど、一緒に行かない?」と言えばいい。そうすることで成功率は格段に跳ね上がると本書では書かれている。要は、先にも述べたとおり、相手が「何を欲しているか」を考え、それを満たすコトバを選べばいいというのである。もし成功すれば、一緒にレストランへいける。これはまごうことなきデートである。何か狐につままれた感はいなめないし、その事前情報を掴むこと自体が難しいと思われるのだが、そこはもう何とかするしかないのだろう。

 また、あなたが絶対におちそうもない領収書を持っていたとする。それを経理の人に「この領収書お願いします」とだけ言って渡せば、もうそんなもの、経費でおちないことは確実。確率でいえば0パーセントだ。しかし、それも、ある“コトバ”を使うだけで、成功率は上がるのだとういう。その魔法の“コトバ”とは「ありがとう」。そう、人は感謝の言葉を言われると断りづらいというのだ。ちなみに本書では、この「ありがとう」は最終手段にして最大の方法と書かれている。それだけ効果は抜群な“コトバ”なのだろう。

 では想像してみてほしい。あなたが経理を担当していたとして、チャラチャラした新入社員が「トゥース○○さん、この領収書お願いしやーす」と、飲み屋で散々飲み食いしたであろうことがわかる領収書をもってきたとする。まあ「リア充爆発しろ、なるべく不幸な目にあえ!」という湧き立つ感情は抜きにしても、こんな領収書をまわしたら怒られることは確実なので「無理です」と断るだろう。ではここで、同じ領収書を持ってきた新人が「○○さん、いつもありがとうございます。この領収書お願いします」と言ってきたらどうだろう。経費では落ちないかもしれないが、なるべくのことはやってあげたくなるのではないだろうか。そう、それこそが「ありがとう」の魔力なのだ。なんとも恐ろしい“コトバ”ではないか。

 ほかにも、強いコトバ=心ゆさぶられるコトバを簡単につくれる方法も紹介されている。たとえば、寝ている人も目を覚ます、強烈なメッセージ技術として紹介されている「クライマックス法」。どんなものかといえば、「クライマックスワード」からはじめるというもので、「ここだけの話ですが~」とか「だれにも話さないでくださいね~」や「ワンポイント・アドバイスですが~」など、話の内容をロケットとするならば、それが飛び立つ前のカウントダウンを相手に伝えることで、話に集中させる方法だという。

 たとえば「私はトイレでご飯を食べています」と話すだけなら「ああ、そうですか、どうぞ勝手にしてください」となる(人によっては衝撃の事実ではあるのだが)のだが、「だれにも話さないでくださいね」と付け加えてみるとどうだろう、「だれにも話さないでくださいね、私はトイレでご飯を食べています」となり、ただの日常話が、えらく衝撃的な発言をしているように見えないだろうか。例文が悪いということは置いておいても、こういったことを話の頭につけるだけで、「え? なんの話をするの?」と相手の興味を惹きつけることができるのである。

 さあ、これを実践すれば、非リア充から、リア充へとランクアップできることは確実だ。とはいっても、伝え方云々よりも、まず話しかけ方を教えてほしいというところがコミュ障の人の本音だろう。でも、それは、まあ、もう各自でなんとかするしかない。がんばれ若者よ、立ち上がれ非リア充たちよ!