ブス、ハゲ、チビでも大丈夫! 「ほめる&励ます技術」の身につけ方

人間関係

更新日:2013/3/29

 今日も上司に怒られました。「自分は本当にダメ人間だな…」と思うことばかりの日常。そんな自信喪失モードのときは、ついつい励ましてくれる友人に電話をしてしまう。彼女と話していると、不思議と元気が湧いてくる。そう、彼女はほめ&励まし上手なのだ。

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 人は、ほめられると気分が上がるもの。ほめることは相手の心証を良くすることができるし、社交辞令は大人のマナーとも言われている。しかし、なかなかほめにくい人だっているのが現状。しかしどんな人でも通用してしまうような“ほめ技術”をレクチャーしてくれるのが、『正しいブスのほめ方』(トキオ・ナレッジ/宝島社)だ。

 毒舌なタイトルのこの本では、「ブス」や「ハゲ」、「健康オタク」に「バカ」と、ほめづらいと思われる強敵35パターンをカテゴライズして徹底的に研究、その生態からほめフレーズを見出している。例えば「ハゲ」なら、「ジェイソン・ステイサムみたいでかっこいいですよ!」など、その人のハゲパターンに応じてハリウッド俳優の名前を用意しておくというもの。もちろんこちらから言うのは地雷を踏んでしまうので、相手からハゲネタを振られたときに限るのだが、何とも秀逸なフレーズだ。ものは言いようである。

 同書では、ほめにくい人だけでなく、「美人」や「イケメン」などのほめられ慣れていてほめても心に刺さらなそうな人へのイチコロフレーズも紹介。また、巻末にある「ほめフレーズ集」では、「話すことがない先輩」「夜型人間」など、カテゴライズに当てはまらなかった人へのほめフレーズが掲載されており、ちょっとしたときに使えそうで実用的だ。

 苦手な人をほめるのもやっかいなものだが、身近な人が落ち込んだときも、どうすればいいのか悩むときがある。そんなときにオススメしたいのが『励ます技術』(C.E.ローリンズ:著、弓場 隆:訳/ディスカヴァー・トゥエンティワン)。前者が苦手な人を励ますのに対し、こちらは大切な人を励ます方法が書かれている。

 励ますことは、相手に勇気を与え、現在と未来に立ち向かうことと説く同書では、励ますための行動と言葉を50個紹介している。行動の中には、長所を認め「努力している点をほめる」こと、特に何もせず「そっと寄り添う」こと、相手を「信頼して自由にさせる」ことなど、いろいろなアプローチ法が提示されており、相手に合わせた励まし方が見つかりそうだ。また、励ましの言葉として紹介されている「素晴らしい!」「あなたは着実に成長しています」「すぐそこに出口がありますよ」といったフレーズを見ると、励ます技術を学んでいるはずなのに、読んでるこちらが不思議と励まされてしまう言葉ばかりだ。

 かのトーマス・エジソンは問題児として小学校を退学させられたのだが、母親の励ましによって才能を伸ばすことができたという立志伝があるそうだ。歴史に名を残した人々も誰かに励まされた経験があるらしい。

 ほめることも、励ますことも、多少ニュアンスは違えど相手の気持ちを上げることには変わりない。まわりの人をほめつつ、励ましつつ、空気を変えてみてはいかがだろうか?

文=廣野順子(Office Ti+)