KARA成功の秘密は「写真」にあり!?

芸能

2013/3/30

 韓国女性グループとして初の東京ドーム単独公演を実現し、さらにニューシングルもリリースしたばかりと絶好調のKARA 。彼女たちは、なぜここまで日本で成功できたのか? その成功の背景に「ビジュアル戦略」があったとするのが、『成功する会社はなぜ「写真」を大事にするのか 一枚の写真が企業の運命を決める』(大谷和利/講談社)だ。

 KARAは日本版CDが未発売のときに来日公演を行った。動画共有サイトや公式サイトでヒップダンスやキャラクターイメージを印象づけ、期待を高まらせたところで来日公演ライブを行うという二段構えの戦術。従来の海外アーティストはCDなどを通じて市場への認知を高め、来日公演を行うというパターンだったのに対して、KARAはネットを介してビジュアル的な要素を前面に打ち出し、強烈なイメージを植え付けたあとの来日公演で人気を定着させたというのだ。

 KARAに限らず、韓国のアイドルやアーティストは多言語、多文化で構成されるアジア全域をマーケットとして見ている。言葉ではなくビジュアル的にイメージを浸透させる手法が必然だったのだ。企業のブランド戦略も同様で、海外では「言葉」よりも「視覚、ビジュアル」が第一のコミュニケーションツール。一方、日本の報道、広告、販売などは、写真を文章の添え物として扱いがちな現状がある。識字率が他国に比べて圧倒的に高かったことを背景に、文字によるコミュニケーションを重視しすぎた土壌が定着したのではないか、と筆者は考察している。

 さらに、活字離れが叫ばれて久しく、ウェブサイトやSNSで企業が消費者とコミュニケーションをはかる現代において、アップルやコカコーラ、また中国最大手の通信キャリア「チャイナモバイル」などは自社のウェブサイトで役員達の顔写真を掲載し、顔の見える企業を目指している。にもかかわらず、日本にそのような企業サイトはまだ少なく、コストもあまりかけられていない。このままだと、消費者とのコミュニケーションがグローバル市場で大きく乗り遅れてしまうと著者は警鐘を鳴らしている。

 これからの時代、企業が自社をアピールしたり何かを伝えようとするときに、写真や動画での表現は必須となり、そのビジュアルが企業イメージをつかさどる。もはや「1枚の写真」をおろそかにする企業ほどイメージダウンは逃れられない。これは何もブランドに携わる仕事の話だけではないはず。この本を読み終えたら、社内プレゼン資料や企画書など、さらには自分のFacebookの写真さえも、よりいいイメージで伝わるようにという気持ちが湧くかもしれない。

文=菅原信子