男までメロメロにしてしまう美容師の魅力とは?

BL

2013/3/31

 おしゃれでスタイリッシュなイメージの強い美容師。最近では優木まおみが美容師との結婚を発表したし、小倉優子や元モーニング娘。の市井紗耶香も美容師と結婚している。そんなふうに芸能人の女性を魅了する美容師たちだが、実は女性どころか男までもメロメロにしてしまうほどの魅力の持ち主だったのだ。3月25日に2巻が発売された『幸運の理髪師』(長門サイチ/徳間書店)や『雨の下の君に捧ぐ』(千地イチ/竹書房)、『秘密なんだけど』(鷹丘モトナリ/芳文社)や『ハンサムは嫌い。』(榎田尤利:著、小椋ムク:イラスト/大洋図書)など、美容師が登場する作品から、その魅力を探ってみよう。

 まずひとつめは、常に笑顔で接する態度とその話の上手さ。『雨の下の君に捧ぐ』で「美容師界の王子」と呼ばれる橋本すばるや『ハンサムは嫌い。』でモデルや女優からの信頼も厚い人気美容師・由比若葉。彼らは、従業員に対してお客に見えないところで脛を蹴って注意したりファイルの角で思いっきり頭を殴ったりするけど、決してお客の前では笑顔を崩さない。たとえ貧血で倒れたり、家で何度も吐くくらい精神的、肉体的に追い詰められても、そんなこと微塵も感じさせない態度で接する。そのプロ意識はさすが。それに、ただニコニコしているわけではなく、お客さんが緊張しないようにいろいろと気を遣って話しかけたりもする。また、ホストをやめるといった青年、失恋した女性。転職したキャリアウーマンなど、いろんな人の悩みを聞いてあげたりもする。さらに『ハンサムは嫌い。』で由比が働く「DANDELION」では、カットの最中の会話で聞いた生活スタイルや趣味、好みのファッション。そういったお客について知るための情報は、どんなに小さなことでも顧客帳に記録し、暗記するのだとか。

 そして、2つめはついうっとりしてしまうような華麗な手つきや技術。『雨の下の君に捧ぐ』の橋本は、「客の髪をどう扱えばいいのか、ずっと前から知ってるみたい」に迷いなくはさみを入れていく。彼の店の従業員で、高校の後輩でもある二戸島由有だって、女の後頭部を刈り上げたり、男の髪を7色に染めるといった、奇抜な注文にも難なく答える。『秘密なんだけど』の杉村が見せる鮮やかな手つきには、従業員だって思わず見とれて近づいて行ってしまうほど。また『幸運の理髪師』の那智は、高校生の頃から実家の理容店を手伝っており、一度見た客の名前と髪型は全部覚えていた。しかも、「シャンプーする時は髪質もチェック」していたほど。父親が死んで専門学校の卒業と同時に後を継いだ時も、その確かな腕前が認められたおかげで店を守ることができた。これほどの違いやこだわりがあるなら、お店ではなく美容師にお客がつくのもうなずける。

 でも、なんといっても最大の魅力は自分でも気づかないような自分。隠されていた良さを引き出してくれるところではないか。『幸運の理髪師』の那智なんて前髪で顔もほとんど隠れており、うつむいてばかりだった高校生の藤堂司を誰もが振り向くイケメンに仕立て上げ、「足元ばっか見てちゃいろんモンの見落とすぞ 胸張って自信持てよ色男!」と言って自信を持たせてくれた。そのおかげで、司はドラマやCMでも引っ張りだこの人気俳優になったのだ。

 『雨の下の君に捧ぐ』では、橋本が二戸島を見事に変身させたりする。もともとは、肩につくぐらいの赤髪で毛先を金に脱色していた二戸島。でも、橋本の手にかかればすっきりと短い黒髪の、26歳の青年に早変わり。その二戸島も、高校生からの常連だった少女が就活するために、ショッキングピンクや黄緑だった髪をリクルートスーツも着こなせるダークブラウンのショートボブへと変えた。だけど、彼女の個性や魅力を残すため、髪の内側をピンクベースの茶髪にするといった遊び心も忘れない。転職先に合わせてキャラでもないゆるふわ女子を演じてみたキャリアウーマンも、クールで知的な本来の彼女を表すアシンメトリーの髪に。『ハンサムは嫌い。』でも、黒くて硬そうな前髪が分厚くさがり、うつむいてばかりでこもりがちの小さな声でしゃべっていた少女を由比が笑顔も素敵で魅力的な女性に大変身させてしまう。『秘密なんだけど』の杉村だって、髪型も同じで兄の彼氏ですら間違うほどそっくりな双子の高校生・裕基に、「動いてる姿ならお兄さんとだって間違わないと思うよ」とあっさり言ってのけるのだ。それだけの観察力があるからこそ、相手の魅力を見つけ出して引き出すことができるのだろう。

 まるで魔法のように知らない自分へと変身させてくれる美容師たち。これなら、女性だけでなく男性がメロメロになってしまうのも仕方ないのかも。みなさんも、素敵な美容師に魔法をかけられてみては?