意外!?スマートフォン普及で存在感増す少女マンガ

マンガ

公開日:2013/3/30

L・DK』(渡辺あゆ/講談社)

 全15書店の年間売上データを総合し、独自の電子書籍ベストセラーランキングを集計した「電子書籍アワード2013」では、コミック部門ランキングTOP20も発表した。

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 同ランキングは、2012年1月1日~12月31日の間に配信された電子コミックを対象に、シリーズ別に集計したもので、第1位に『宇宙兄弟』(小山宙哉/講談社)、第2位に 『ジョジョの奇妙な冒険』(荒木飛呂彦/集英社)、第3位に 『テルマエ・ロマエ』(ヤマザキマリ/エンターブレイン)がランクイン、映画化やテレビアニメ化でファン層を拡げた男性向けの作品が上位を占めている。

 一方、8位『L・DK』(渡辺あゆ/講談社)以降を見ると、10位 『うさぎドロップ』(宇仁田ゆみ/祥伝社)、11位 『今日、恋をはじめます』(水波風南/小学館)など、女性向けの作品が8作品もランクインし、存在感を増しているのだ。これはなぜなのか?

 MMD研究所が今年2月に発表した「電子書籍に関する利用実態調査1」によれば、電子書籍ユーザーを男女別で見ると、男性は64.0%、女性の48.3%、もっとも読んでいる電子書籍のジャンルを見ると、男性が 「小説・文芸書(29.9%)」「コミック(28.3%)」「ビジネス書(15.0%)」、女性が「コミック(42.6%)」「小説・文芸書 (38.2%)」「ビジネス書(4.4%)」の順となっている。男女を比較すると、女性の方がコミックを読む割合が高く、特にスマートフォンでは作品の新旧を問わず少女マンガを購入する人が多いという。

 スマートフォンで電子書籍を利用する女性の年齢層は20~30代が多い割に中高生を対象にした少女マンガが売れているというのは不思議だが、大人になってからリアル書店で少女マンガを購入するのが恥ずかしいという心理が働くのだろうか。“誰にも気兼ねすることなく甘酸っぱい恋愛マンガをスマートフォンで楽しむ”というのが現在のトレンドのようだ。

 

【電子書籍アワード2013:コミックランキング】 ※は女性向け作品

1位 『宇宙兄弟』(小山宙哉/講談社)
2位 『ジョジョの奇妙な冒険』(荒木飛呂彦/集英社)
3位 『テルマエ・ロマエ』(ヤマザキマリ/エンターブレイン)
4位 『ONE PIECE』(尾田栄一郎/集英社)
5位 『進撃の巨人』(諫山創/講談社)
6位 『新世紀エヴァンゲリオン』(貞本義行、カラー・GAINAX/角川書店)
7位 『闇金ウシジマくん』(真鍋昌平/小学館)
8位 『L・DK』(渡辺あゆ/講談社) ※
9位 『ノ・ゾ・キ・ア・ナ』(本名ワコウ/小学館)
10位 『うさぎドロップ』(宇仁田ゆみ/祥伝社) ※
11位 『今日、恋をはじめます』(水波風南/小学館) ※
12位 『島耕作シリーズ』(弘兼憲史/講談社)
13位 『ヘルタースケルター』(岡崎京子/祥伝社) ※
14位 『ちはやふる』(末次由紀/講談社) ※
15位 『鋼の錬金術師』(荒川弘/スクウェア・エニックス) ※
16位 『好きっていいなよ。』(葉月かなえ/講談社) ※
17位 『ベルセルク』(三浦建太郎/白泉社)
18位 『永遠を誓うギリシアシリーズ』(藤田和子、リン・グレアム/ハーレクイン) ※
19位 『僕と彼女の×××』(森永あい/マッグガーデン) ※
20位 『寄生獣』(岩明均/講談社)