ゆとり新人もやる気アップ!? スラダン安西先生の熱すぎる名言

暮らし

2013/4/1

 安西先生。言わずもがな『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載していた大人気マンガ『SLAM DUNK』(井上 雄彦/集英社)に登場する名キャラクターのひとりである。彼のもとには非常に優秀なプレーヤーが集まり、無名校だった湘北高校をインターハイ3連覇の山王工業を下して全国ベスト16になるほどまでに押し上げた。

 だが、そこまで湘北高校が強くなった背景には、プレーヤーたちの実力はもちろんだが、やはり安西先生の指導力とプレーヤーにかける言葉があったのだろう。なにせその言葉から、最強・最高のコーチング術を学ぼうという本が出版されるくらいなのだから。それが『人を動かす! 安西先生の言葉』(遠越 段/総合法令出版)だ。この本では、安西先生の「人のやる気を引き出し、その能力を最大限に活かす手法」について徹底分析している。今回は、その中からいくつかの「人をやる気にさせる」ポイントを紹介したい。

 まずは「言葉の力を最大限利用する」というもの。実は安西先生の言葉は少ない。しかし、ここぞという時、相手の心にズシンとくる言葉を話すという。そしてその力を最大限に利用して人を動かす。その秘訣は「相手をよく見、観察すること」。

 たとえば安西先生は桜木に、こんな言葉を発している。「キミは秘密兵器だからスタメンじゃないんです 秘密兵器は温存しとかないと」。これは、その発せられた後にも影響してくる力強い言葉であり、また桜木の可能性とその性格を見事に見抜いた言葉だ。相手のやる気を引き出すには、まず相手を観察して、その性格や性質、能力を見抜いておかないといけない。そうしなければ、相手の心に響かせる言葉は生み出せない。

 また「強みを生かし 長所を伸ばす」ことも大切だという。三井に投げかけた、安西先生の名言「あきらめたら そこで試合終了だよ」も、三井の「あきらめない」という長所(ケガやライバルの登場などで、ときにはバスケを辞めたが、あきらめきれず再びバスケをはじめたところなど)を刺激した言葉である。これは三井の胸に刻まれ、とても強い力になっただろう。

 あのドラッカーもこう言っていると本書では書かれている。「部下の弱みに目を向けることは、間違っているばかりか無責任である。上司たる者は、組織に対して、部下ひとりひとりの強みを可能なかぎり生かす責任がある。そしてそれ以上に、部下に対して、彼らの強みを最大限に生かす責任がある」と。やる気を引き出すには、相手の長所や強みを生かし、刺激する言葉を投げかけよう。

 「困難を乗り越えていけば、さらに大きな成長があることを教える」ということも大切な要素だ。困難な状況を前にしたとき、あなたはどうするだろうか。慌てるだろうか、それとも絶望するだろうか。だが、困難は自分の生き方を変える大きなチャンスであると伝えられたらどうか。やる気が出てはこないだろうか。そう、そういうことなのだ。安西先生も、山王戦のゾーンプレスの絶望の中、桜木に対して「君がオフェンスリバウンド とれるならそれは……それができれば 君が追い上げの切り札になる」と伝え、困難な状況下でも桜木の成長を図り、切り札として期待した言葉を投げかけた。これでやる気が出ないわけがない。「言葉の力を最大限に利用」し「強みを生かし 長所を伸ばす」ことをも兼ね備えた、まさに安西先生にしか出せない言葉だろう。

 やる気を出した人の実力は計り知れないものがある。それを自由に引き出せるなら、その人は名コーチと呼ばれるだろう。湘北高校の超個性派集団のやる気を自由自在に引き出した安西先生は、まさにそれである。

 もし、あなたが部下のやる気を引き出すのに苦労しているのなら、本書を手に取るといい。安西先生のふくよかな後ろ姿を追いかけて、あなたも名コーチへの道を進みだすのだ。