なぜコンビニで恋が生まれやすいのか?

BL

2013/4/4

 BL作品で恋の舞台として使われることの多いコンビニ。3月11日に発売された『この恋、温めますか?』(浅見茉莉:著、三池ろむこ:イラスト/笠倉出版社)や『鮫島くんと笹原くん』(腰乃/東京漫画社)、『心騒がせるキミと』(黄上恵理/光彩書房)でも、同じシフトのバイト仲間や店長などの上司や先輩、お客さんにいたるまで、いろんな人と恋が芽生える。でも、なぜそんなにコンビニで恋が生まれるのか?

 まずひとつは、店の数が多いため常にどこかの店でバイトを募集している状態で、下は高校生から始めることができるので、とにかく間口が広い。だから、比較的気軽に始められる。1度はコンビニでバイトしたことがあるという人も多いだろうし、初めてのバイトがコンビニという人も少なくないはず。普段なら出会うことのないタイプの人たちを出会わせることができるというわけだ。

 実際、『この恋、温めますか?』の主人公は世間知らずの御曹司・佐々原英で、一般常識を身に付けて自立するためにコンビニでバイトを始める。そして、親切に指導してくれた店長の志賀諒平に恋していくのだ。また、『心騒がせるキミと』の鈴元伊吹は、コンビニのバイトで生活費を稼ぐ苦学生だが、その店の常連である自称デザイナーの沖口に迫られて気になりだす。『鮫島くんと笹原くん』では、笹原がバイトしていたコンビニに鮫島が新しく入ってきて、実は同じ大学の同期ということが分かりだんだん学校でも一緒に過ごすようになる。こんなふうに、コンビニだから出会える意外な組み合わせも魅力だろう。

 また、働いている人数もそんなに多くないし、シフトが決まっているので、同じ人と組むことが多い。それに、大都会のコンビニでもない限り同じ時間帯で入る人数もせいぜい2、3人だろう。そんな少人数で8時間近く一緒にいれば自然といろんなことを話すし、距離も縮まる。『鮫島くんと笹原くん』だって、最初は目もあわせてくれなかった鮫島が、大学から一緒にバイト先に向かうようになったり、笹原が鮫島の家に泊まりに行くような関係になる。『この恋、温めますか?』なんて、毎日コンビニ弁当を買って帰る英を見て、志賀が家で手料理を振舞ったり、英の家で料理教室を開いてくれるようになるほど。

 それに、常連のお客さんもだいたい決まった時間に来るので、話すところまではいかなくても顔やいつも買うものぐらいは覚える。逆に、気になるバイト店員に会いたいなら、決まった時間に行けばかなりの高確率で出会えるのだ。コンビニの接客は、他の店のレジに比べてお客さんと会話しなければならないことも多い。お弁当やパンを買ったら「温めますか?」と聞くし、箸やストローをいくつ付けるか、本と飲み物や食べ物の袋を分けるかなど、いろんなことを聞かなければならない。だから、できるだけ長く話をしたいとか、話すきっかけが欲しいなら、こういったやりとりの多いものを買えばいい。『心騒がせるキミと』の沖口も、鈴元と話したくてアイスとからあげを一緒に頼み、それを同じ袋に入れようとした彼に「…あのさ普通冷たいもんと熱いもんは一緒に入れないんじゃ?」と勇気を振り絞って話しかけるのだ。たとえ偶然の出会いであっても、自分が勇気を出して少しアピールするだけで、運命に変えることができる。

 さらに、そういった精神的な距離感の近さも魅力だが、コンビニは肉体的にも距離が近くなる。バイトやスタッフは、あの狭い空間にずっと一緒にいるのだ。バックヤードもカウンターも狭いし、とにかく距離が近い。レジでお客さんと向かい合っても、他のスーパーなどのレジのように障害物がないのでまじまじと見られるし、お釣りや商品も手渡しなので、そのときに手が触れたりもする。また、店員同士なら『この恋、温めますか?』の2人のように、カウンターの内側の監視カメラに映らない位置でキスしたりもできる。そんな身体的な距離の近さやドキドキを味わえるのも楽しいのかも。

みなさんも、恋がしたいと思ったらまずはコンビニに行ってみては?