明治天皇の玄孫・竹田恒泰が選ぶ 「日本の伝統文化を楽しく学べる本」

社会

更新日:2013/4/9

  お花見で桜を堪能したあとは、日本の伝統文化を知り、日頃忘れがちな和の心を思い出したり、世界に誇れる日本の良さを再発見してみよう。そこで今回は、大学で憲法学を教えながら、古事記の現代語訳など、精力的に活動している竹田恒泰さんに“日本の伝統文化を楽しく学べる本”を紹介してもらった。

【1位】『逝きし世の面影』 渡辺京二 平凡社 1995円
幕末期に来日した西洋人たちが記した、日本文化や日本人に対する賛辞の数々を著者が紹介。陽気さ、礼節を重んじる姿など、日本人の心の豊かさや気高さを知ることができる。

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【2位】『明治天皇』(全4巻) ドナルド・キーン/著 角地幸男/訳 新潮文庫 746~788円
先ごろ日本に帰化した日本文化研究の第一人者ドナルド・キーンの大作。父・孝明天皇の崩御によって、14歳で即位した明治天皇が、いかに生き、日本を大国にしたかがつづられる。

【3位】『かんなぎ』(1~7巻) 武梨えり 一迅社REX C 580~600円
美術部員の仁が手掛けた木彫りの像に宿った女神・ナギがドタバタを繰り広げるコメディマンガ。ランキングの選者・竹田恒泰氏は「神道の世界観が反映されている」とコメント。

【4位】『古今和歌集』 佐伯梅友/校注 岩波文庫 882円
平安前期に編纂された最初の勅撰和歌集。竹田氏は「数ある和歌集のベースにして、言葉の美しさは究極の域」「旅のお供にも。これ一冊あれば一か月の長旅でも大丈夫」と語る。

【5位】『宮中賢所物語(きゅうちゅうけんしょものがたり) 五十七年間 皇居に暮らして』 髙谷朝子 ビジネス社 1890円
57年にわたり、宮中に仕えた髙谷朝子の体験記。宮中祭祀の伝統の重みや、祈りの尊さに気付かされる。宮中祭祀の様子が細かに語られている点でも価値のある作品。

【6位】『人生生涯小僧のこころ』 塩沼亮潤 致知出版社 1680円
過酷な荒行“千日回峰行”を成し遂げた大阿闍梨が、行を通じて悟ったことを記した一冊。竹田氏は「日本人ならではの感謝の心や和の精神を感じさせてくれる本」とコメント。

【7位】『昭和天皇と鰻(うなぎ)茶漬 陛下一代の料理番』 谷部金次郎 文春文庫 560円
著者は、昭和天皇に料理番として仕えた谷部金次郎。昭和天皇の好物が鰻茶漬だったことをはじめ、昭和天皇の日常や嗜好、宮中の様子などがつづられる。心温まる逸話が満載。

【8位】『日本の君主制 天皇制の研究』 葦津珍彦 葦津事務所 2100円
神道家、思想家の葦津珍彦が、天皇や憲法について論じた一冊。竹田氏は「憲法が定める“国民主権”の概念を、これほどわかりやすく解説した本はない」と絶賛。

【9位】『皇統は万世一系である 女系天皇論の嘘とごまかしを徹底検証』 谷田川  惣日新報道 1680円
初代神武天皇の代から現在まで、皇室がいかなる伝統に基づいて継がれてきたかをわかりやすく解説。皇位継承の仕組みがわかる。女系天皇論の矛盾点や問題点も追及していく。

【10位】『現代語古事記 決定版』 竹田恒泰 学研パブリッシング 1785円
竹田氏が6年がかりで古事記を現代語訳。冒頭には、古事記を読み進めるための秘訣も紹介されていて、初読者でもストレスなく古事記に親しめる。文庫版が7月11日に発売予定。

取材・文(ランキング部分)=澤井 一
(ダ・ヴィンチ5月号 「その道のプロに聞く! ダ・ヴィンチなんでもランキング」より)