食事で非リア人生を脱出できる? リア充ごはんの中身とは

食・料理

2013/4/14

 非リア充がリア充になるためには越えなければならない壁が山ほどある。そしてそれらは、とても険しい。たとえば人間にとって必要な「衣・食・住」。「衣」なんてもう「ファッションセンターしまむら」や「UNIQLO」が関の山で、季節に応じたコーディネートだの、なんたらブランドだのはとてもじゃないがついていけない。「住」にいたってはなおさら険しいだろう。「インテリア雑貨を揃えるくらいなら、美少女フィギュアのひとつやふたつを集めていたほうがましだ! 俺はもう部屋に戻るぞ!」なんて考えがどうしても頭をよぎってしまうのだから。

 しかし、それでも「食」だけは、どうにかできそうとは思わないだろうか。もしも、それを食べれば、リア充になれるという食べ物があれば……。実はそんな淡い夢を、現実に変えてくれる本が、3月29日に発売された。それが『リア充ごはん』(COSMIC FORGE:著、拓:イラスト/ワニブックス)だ。タイトルからして、非リア充を寄せ付けないオーラを漂わせているが、この本、リア充のための本ではなく、外食が中心になっている非リア充に向けた“超”初心者向けのレシピ本。帯にもこんな文字が躍っている。曰く「俺…この本を読んだらリア充になるんだ…」と。イヤイヤ、そんな夢みたいな話があるワケない、あっても食べるものか!……とは思うが、一体どんなものを食べたらリア充になれるというのか、気になる人もいるだろう。

 本書はもともと2009年12月に東京ビッグサイトで開催されたコミックマーケット79で、サークル「COSMIC FORGE(コズミックフォージ)」が頒布したレシピ同人誌『リア充ごはん』に端を発している。「精神面での栄養には充実した私達、ならば身体面の栄養も充実させよう!」と謳われたその本は、またたく間に話題となり同人誌としては異例の、累計5000部という数字をたたき出した。その同人誌をもとに、すべて新作レシピ、新作イラストで再構成し書籍化したのが本書というわけだ。

 しかし、そうはいっても、タイトルからは「リア充ごはんってもしかして、オリーブオイルを鍋一杯に浸すという暴挙ともとれるような料理や、おしゃれなカフェで出てきそうな、なんかこう、クレープ? とかそんな小難しさと気恥ずかしさが同居するような料理なんだろうか」と連想してしまう。そんな不安な気分で本書を開いてみると登場するレシピは「チーズ入りハンバーグ」や「豚ロースのしょうが焼き」「レタスチャーハン」「スパイシーフライドチキン」「家庭風のモツ煮込み」といったもの。そう、どんなものが出てくるかと思ったら、内容はいたって普通。思えば、“超”初心者向けのレシピ本なのだから、そんな小難しい料理が出てくるわけがないし、リア充もなんだかんだいって、普通のものを食っているのだ。もちろん、その他にも「トマトベーコンパスタ」「チーズたっぷりアボカドグラタン」「こくまろ牛すじカレー」といったものも掲載されており、その数は全部で24種。しかも、それぞれで、「Dinner(夜ごはん)」、「Brunch(ブランチ)」「Supper(ビールのおつまみ)」という章分けがされていて、シーンに応じた使い方ができるのもうれしいところ。

 また、そのどれもが、詳細に作り方が解説されているうえ、その方法も簡単とあって「あれ、いままで料理は“床ドン”で出てくるものだと思っていた」という人にでも、手軽に作れるだろう。しかも、調理器具から調味料まで、事前に準備しておくものも記されているし、なんと「米の炊き方」まで掲載されているという、まさにかゆい所まで手が届く、超親切な内容となっている。

 これまでは料理は母親か、もしくはお金を出して用意されるものだと思っていた非リア充たちには、うってつけの、この本。

 さあ、この、“超”初心者向けのレシピ本で、「食」を通じて、リア充への扉を叩くか。あるいは、テーブルの上に置かれたデリバリーピザを傍目に、ファミチキを片手に持ち、コーラを飲みつつ、アニメやマンガに興じるという、なんとも優雅な時間をこれからも満喫するか。あなたは、どっちだ。