エロメン人気の背景には“男女間のエロ格差”あり!?

ライフスタイル

2013/4/15

 このエロメン人気に加え、“女性用TENGA”と話題になった「iroha」の発売や、『さよなら、韓流』(北原みのり/河出書房新社)で宣言されていた「韓流はエロである!」という言葉にも表れているように、ここ最近、「女性のエロ」にまつわる動きがにわかに活気づいている。

 女性たちはどんなエロを求めているのか? こういった問題について、正直これまであまり考えたことがなかった。おそらく多くの男性たちも同じではないだろうか。もっと言えば、「女性には性欲がない」とすら思っている男性だって少なくないかもしれない。しかし、「巨乳が好き」「制服フェチだ」「オカズはもっぱら熟女モノ」などなど、自分たちがエロについて一家言あるように、女性もまたエロについて様々なこだわりがあるだろうというのは、よく考えてみれば当たり前のことだ。

 そんな女性のエロを知る上で貴重なヒントを与えてくれるのが、SILK LABOの若き女性プロデューサーが書いた『女子の保健体育』(牧野江里/宝島社)だ。自らAV監督も務めるという著者が、人生や仕事を通じて考えてきた女性のエロについて、疾走感あふれる文体でおもしろおかしく解説してくれる。

 たとえば筆者は、4歳で経験した性の芽生えを赤裸々に語ってくれる。「股間に力を入れてムズムズさせる」と気持ちよくなるということを、誰に教わることなく発見したそうだ。また、女性が淫夢を見てオーガズムに達する現象「ドリガズム(=ドリーム・オーガズム)」の存在を教えてくれたり、セックス中の本音を包み隠さず語ってくれたりと、男子禁制のガールズトークをのぞかせてもらっている気分になる。

「私、セックスしているときに“ああ、私セックスしてるわ! 愛されてるんだわ! 女として魅力あるんだわ!!”なんて思ったことないですよ! “もっと右!! ああ違う! くそ、自分で動くか!!”とか“ナイスチンコー!!!”とかですよ(痛)」

 こんな生々しい本音、普段は滅多に聞けないシロモノだ。

 著者がなぜこうやって赤裸々にエロを語っているのかというと、男女の性欲に“格差”を感じているからだ。男性向けのエロに関しては、風俗もAVも多様なニーズに対応するなど大充実。一方、女性向けのエロはツールがないどころか、語ることすらはばかれるのが現状。同じ人間であり、性欲も等しくあるはずなのに……この男女差は一体どういうことなのか。

 その原因を、筆者は男の「清純派信仰」にあると喝破する。

「男の人はね、特に日本のボーイズはね、“恥じらい”が好きなんです。(中略)だからね、(女性に)エッチなことをオープンにされると“俺以外の男の影響”を感じちゃうのよ。それって男の人にとってはとっても嫌なことらしいの。めんどいわね」

 清純派信仰が女性を抑圧し、男女間に悲しいディスコミュニケーションを生んでいる……。男にとって非常に耳の痛い言葉だ。しかし同時に、それは認めざるを得ない真実でもある。まずは女性の性欲に対する偏見をなくすべく、その実態を正しく知る。また女性自身も、性欲が肉体の要求する自然現象であることを今一度理解し、性を楽しむことへのタブー感を軽減していく。そうしていくことで、男女の溝を少しでも埋めていきたい──。おもしろおかしくエロを語っていく本書だが、根底に流れる想いは熱く、切実だ。

 男子必見の“女のエロの教科書”。ぜひご一読あれ!

文=清田代表/桃山商事