史上最悪のダメ夫!? ゴミ屋敷の住人と結婚してしまったら……

コミックエッセイ

2013/4/16

 『片づけられない女のためのこんどこそ! 片づける技術』(文藝春秋)『必要なものがスグに! とり出せる整理術!』(メディアファクトリー)などのコミックエッセイで知られる、人気イラストレーターの池田暁子。整理術のみならず、貯金術やタイムマネジメントに関する著書は多くの人の共感を呼び、女性ファンも多い。そんな池田氏が理想の結婚と実像を描く最新コミックエッセイ『うっかり結婚生活 一緒に暮らす2人のルール8』(メディアファクトリー)が、今までと違った意味でファンの注目を集めている。

 その原因となるのは、池田氏の夫。結婚がテーマになったコミックエッセイといえば、あるあるネタや日常で見つけた小さな笑い・感動といった誰にでも共感できる話が多いが、それとは一線を画した、夫のダメっぷりが「史上最悪のだめんず」と読者に衝撃を与えているのだ。

 結婚前の彼の自宅は、約10年分のゴミを溜めたゴミ屋敷。それゆえ池田氏の家に入り浸り、そのまま結婚という流れでまず読者は眉間にシワを寄せる。だが、それはまだ序の口。

 現在、池田氏の夫は求職中の身。それなのに家事は一切やらず、「お風呂の水、替えなきゃねー」とつぶやくことで池田氏に行動を促す“口先の魔術師”なのだ。食事の支度も手伝わず、冷蔵庫にある食材で作った料理を嫌がり、ハンバーグやカレーなど「名前のある料理」に異常なこだわりをみせる。たまりかねた池田氏がお皿洗いを頼めば、食器洗剤をお皿に直接つけるという荒技を披露。洗濯を頼めば、脱水後の塊になった衣類をそのまま干し、除湿機を点けるという想像のナナメ上の技法で攻めてくる!

 さらに、夫は日常の言動も“個性的”。テレビのリモコンはずっと握りっぱなしで、常にチャンネルをザッピングし、落ち着いてひとつの番組を見ることができない。日常会話は否定から入り、最終的には池田氏の意見に同意しているにも関わらず、本人はそのことに気づいていないなど、読んでいる側が思わず苦笑いするほど。

 この本に対してネット上のユーザーレビューでは、「出てくるエピソードがことごとく笑えないどころか不快」という声がある一方、あまりにも突き抜けたエピソードゆえに「なんかもうすご過ぎて、大爆笑しながら読みました」といった声も。

 池田氏は個性的な夫とうまく付き合うために試行錯誤を重ねる。「家事を教えるには、愛想よく。泣き落としも可」、断定口調で話すと条件反射のようにすべての会話を否定することに対しては「スムーズに会話したければ語尾を変える!」と独自のルールを確立していく。

 そして最大のポイントは「お相手のアレな部分も、自分が気にならなければOK」というルール。読み手からするとまだまだ池田氏の夫に関する仰天エピソードは尽きないのだが、池田氏自身はさほど気に留めていないことも多い。当たり前だが、それぞれの夫婦ごとに夫婦のあり方がある。周囲から「おかしい!」と言われようと、本人たちが幸せなら充分なのだ。図らずも読者からの反響が、池田氏のルールを反証した形に。周りから見れば「史上最悪のだめんず」も、妻にとっては「最高のパートナー」になり得るのだ。