声優・池澤春菜もハマった“執事モノ”「ジーヴス・シリーズ」、5月15日にドラマDVDがいよいよ日本上陸！
ピックアップ 更新日：2013/8/13
エリザベス王太后もブレア元首相も愛読した「ジーヴス・シリーズ」
いよいよドラマDVDが日本上陸！ その魅力のポイントとは？
今回、待望の日本上陸となったドラマDVD『天才執事ジーヴス』。実を言えばジーヴスは、厳密には執事ではない。
執事は本来“家”に仕えるものだが、ジーヴスは彼自身の言葉を借りれば、“紳士さまお側つきの紳士”、つまり主人である紳士に仕えることを職務とする。このことからもわかるように、この作品は日本人にも親しみ深い“相棒モノ”の要素が強いのだ。
頭はちょっと残念だけど、“金のハート”を持つバーティー・ウースターを演じるのはヒュー・ローリー。今や出演ギャラ額最高者としてギネスブックにも載る大俳優だ。そしてジーヴスにキャスティングされたのは、『シャーロック・ホームズ シャドウゲーム』でのマイクロフト・ホームズ役が記憶に新しいスティーブン・フライ。この二人、プライベートでもケンブリッジ大学在学中からの付き合いで、ともに学生劇団に参加していた仲。そんな息の合ったコンビネーションはドラマでも抜群に発揮されている。
たとえば、バーティーが弾くピアノを伴奏に二人が合唱をするシーン。池澤春菜さんもコミカライズを担当した勝田文さんも印象深いというこのシーンは、もちろんドラマオリジナル。歌うたびに「サー」とつけるジーヴスと、無邪気に、しかも何気に上手な歌を披露するバーティーの掛け合いは見どころのひとつだ。
もうひとつ、ドラマならではの見どころといえば、原作でもおなじみのスーツバトル。上品で昔ながらの英国紳士の服装を好むジーヴスと、紫色やら水玉やらの奇抜でイマドキ（！？）なアイテムを取り入れようとするバーティー。いかに自分の主張を通すかの攻防戦は原作でもお決まりのお楽しみ（バーティーはいつも、厄介ごとをジーヴスに解決してもらうかわりに、彼の提案を呑まざるを得ないのだ）。それを実際に目で楽しむことができるのは嬉しい。
「実際に着ている姿を見ると、確かにジーヴスが出してくるのはちょっと茶色くって野暮ったい、でも仕立てのいいものなんですよね。その前にバーティーが着ていたグレーの方がしゅっとしていていいんじゃないの？ とか、そんなに珍妙に見えなかった自分にちょっと衝撃でした。やばい、ジーヴスに怒られる！ って（笑）」と池澤さんも語る。
ドラマは、原作小説を下敷きにアレンジを加えてはいるものの、その世界観が丁寧に再現され、エピソードも不自然さのない構成で組み合わされている。原作未読の人はもちろん、ファンも新しい気持ちで楽しめる最高の喜劇ドラマとなっている。
コミック版の著者・勝田文が語るジーヴスの魅力
しょうもないことをクールに全力でやりつつ、とっちらかった諸問題が見事に収まっていく展開の気持ちの良さが魅力的です。それに他愛のない会話のギャグや脱線具合は本当に笑い転げてしまうくらい好きです。漫画にする時こういう細部は泣く泣くカットすることもあるので、ぜひ原作で楽しんでいただきたいです。
ドラマ版はその時代の衣装やセットがとても素敵。私はバーティー贔屓なので、いろんな服が見られて嬉しいです。バーティーはおおらかで朗らか、自分の頭の具合をちゃんと理解していて、なにしろ金のハートを持っています（笑）。原作の世界に入れるならば彼の奥さんになりたいところですが、ジーヴスにいじめられそうなので、ジョージ伯父さんになって療養の付添いをしてもらうくらいがいいかも（笑）。
5月15日、DVD『天才執事ジーヴス vol.1』発売！
P・G・ウッドハウス：原作、森村たまき：字幕・解説／国書刊行会／2310円
英国発、世界最高のユーモア小説の日本語字幕版。全2話収録:特典映像と解説小冊子付き。
■第1話「ジーヴス登場！」
ボートレースの夜に悪ふざけが過ぎ、警察裁判所で罰金を言い渡されたバーティーのもとに天才執事ジーヴスがやってくる。恐怖のアガサ伯母さんはバーティーに天下最強娘との結婚話を持ち込むが…。
■第2話「犬のマッキントッシュの事件」
性格よろしからぬ美女ボビーとの結婚を決意したバーティー。ボビーはバーティーに、恋がたきの湯たんぽを錐で突き刺せと命じる。おまぬけなタッピーはオペラ歌手との恋に落ち、バーティーは公衆の面前で歌うはめに…。
※vol.2は6月25日発売予定（全3話収録・2520円）
取材・文＝立花もも
