特集番外編2 2011年9月号

特集番外編2

公開日:2011/8/5

特集「羽海野チカ 精一杯の真実」番外編

編集I

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長編第2作目の『3月のライオン』で、マンガ大賞2011と講談社漫画賞(一般部門)を受賞、(前作『ハチクロ』でも、講談社漫画賞〈少女漫画部門〉を受賞)。2作の長編がともに重要な漫画賞に輝いた羽海野チカさん。

なぜ羽海野さんはマンガ家になったのか。羽海野さんがどんなふうな子供時代を過ごし、どんなものを愛し、マンガ家になるまで、どんな思いで仕事をしてこられたのか、『初期短編集』から『ハチクロ』、連載中の『3月のライオン』と作品とリンクさせながら、クリエーター・羽海野チカをつくってきたものが浮き上がるロングインタビューを敢行しました。

ほか、「女のマンガ道」と題したおかざき真里さんとの対談も読みどころ満載です。おかざきさんの最新作『&—アンド—』のコミックス2巻に羽海野さんは「読むと叫び出したくなるラブストーリー!!」と絶賛のコメントを寄せ、おかざきさんは「コミックナタリー」のトークイベントで、「いちばん気になるマンガ家の仕事」として『3月のライオン』について熱く語ったという相思相愛の二人。ツイッターでのやりとりがあったものの、対談の場が初対面だったのですが、おかざきさんの鋭いツッコミも炸裂し、「ええ~っ、そうだったの」という新事実も判明。第2部は場所を移して深夜2時まで続きました。

『3月のライオン』6巻刊行時の手紙大賞を意識して、羽海野さん宛のお手紙企画。石井ゆかりさん、神山健治さん、神谷浩史さん、島本和彦さん、スガシカオさん、森見登美彦さん、よしもとばななさんが書いてくださいました。羽海野さんからのお返事もとってもキュンキュンな内容で、それぞれにお付き合いが見えてくるなあとほっこりします。

今回、読者の方々からも羽海野さん宛にメッセージをいただいたいのですが、誌面都合で掲載できず申し訳ありません。ここの番外編として掲載しますので、ぜひこちらもお読みください。

ダ・ヴィンチ読者から、羽海野チカさんへのメッセージ

◆『ハチミツとクローバー』のラストの場面が本当に大好きです。最終巻をバイトが終わるまで待ちきれず、休憩時間に買いに行き、読みながら涙し他の人達に引かれたという嫌な思い出があるほど……。あれほど素敵な作品を読ませていただいて羽海野先生には本当に感謝しています。ありがとうございました。 (愛知県・会社員・男・27歳)

◆もともと竹本君の自分探しの旅に大ハマりしてから、『3月のライオン』に出会い、こちらにはさらに惹きつけられています。いつも皆で食べるご飯がおいしそうに描かれているところが好きです。あと、「落ち込んでるときに冷たいものを食べるのは致命傷になるんだぞ」などの名言も大好きです。今後も無理をしすぎず、末永く漫画を書いていただけると嬉しいです。 (東京都・大学生・女・23歳)

◆たくさんの受賞、おめでとうございます。私にとっては予想通りの受賞です。先生のキャラクターが悩み、苦しみながらも、「誰かと」その壁を乗り越えていく様子は、本当に心を打ちます。人を楽しませる場面も多い先生の作品ですが、これほどまでに支持されているのは、読者みんなが何かに悩んだりつまずいたりする事があるからだと思います。いつも「私も頑張ろう」という気持ちにさせてもらえる先生の作品を、これからも応援し続けていきます。 (愛媛県・会社員・女・35歳)

◆『3月のライオン』、いつも楽しみに読んでいます。この作品のおかげで、新聞に載っている将棋の記事を読むようになりました。棋士の方々は常に闘っているのだなあとびっくりするほど、頻繁に将棋関連の記事を見かけます。漫画を読むまでは全然気付けなかった世界に気づかせてくれて、ありがとうございました。 (北海道・会社員・女・23歳)

◆羽海野さんの描く世界が大好きです。毎日の生活が、なんでもない生活がものすごく大事に感じるようになるからです。ちょくちょく登場する、「もけもけ」などの「擬態語」「擬声語」がとってもとっても面白いです。どんなときに思いつくのでしょう。もともとそういう風に思っていたのでしょうか。ひねってひねって、生まれてくる言葉なのでしょうか?? (千葉県・パート・女・43歳)

◆羽海野さんの漫画を読む時は、ひとりでしんみりしたい時か、笑いたい時か、どちらかです。ひとりぼっちになりたい時か、ひとりぼっちがいやな時か、どちらかです。どちらの時でもそばにいてくれるので、とってもありがたいです。カラーの表紙なども、美しいので見ていてため息です。緑の主線に暖色がぽわっと載ってくるところなど、きれいだなぁって思います。これからも心も体も元気にいろんな漫画を描いてください!(埼玉県・パート・女・32歳)

羽海野チカ先生との出会いは、私が大学生の頃でした。当時、なんとなく憂鬱な日々を過ごしていて、いつものように近くの本屋をぶらぶらしていたところ、平積みされていた『ハチミツとクローバー』が目にとまり、何の気なしに購入しました。読んでみると、自分と同じような悩みを持った竹本くんにすぐに感情移入してしまい、次の日には残りの全巻を買いました。私が羽海野チカファンな理由のひとつに、主人公が職業意識について悩みを持っている姿を真摯に描いているところです。自分の未熟さに負い目を感じる竹本くんや、このままプロとしてやっていけるのか思い悩む零くんなど、きっと羽海野チカ先生も同じことを考えながらこれまで歩まれてきたのでしょう。悩みぬく姿をさらけ出している点は本当にすごいと思います。 (東京都・会社員・男・30歳)

◆『ハチクロ』最終巻に収録されていた短編「空の小鳥」が、それまで読んだ漫画の中で一番泣いた作品になってから、未だにその記録は塗り替えられていません。もちろん『ハチクロ』が大好きなんですが、『空の小鳥』は自分の中で特別な作品になっています。神格化されていると言っても過言ではありません(笑)。大好きです。 (新潟県・女・27歳)

◆マンガ大賞2011の受賞、おめでとうございます。『ハチクロ』で大ファンになり、キャラの台詞や心情を今でもよく思い返します。年を重ねるにつれ、山田さん目線で見ていたのが竹本くんになり、たぶんもっと大人になれば、花本先生になったりするんだろうなと思います。一生そばにいて、読み返していきたいです。現在連載中の『3月のライオン』も、毎回楽しみに拝見しています。将棋のことがわからなくても楽しめるし、コミックスの解説で説明してもらえるのはありがたいです。これからもがんばってください!(東京都・大学生・女・23歳)

◆ものすごーくへこんでたときに、従姉に『ハチクロ』をおしえてもらいました。何度も何度も笑わせてもらって、笑うって必要♪と上昇できたマンガです。もちろん、笑えるだけじゃないですけど。つらくなったら『ハチクロ』、時間があったら『ハチクロ』としつこいくらい読んでました。その後の『3月のライオン』も読んでます。将棋という馴染の無いテーマですが(私にとって)へー、ふーん、ほー。とこれまた待ち遠しい。きっと、出てくるキャラひとりひとりが魅力的なんだな。そして、おまけページもほのぼのしてるなかに毒々しさがあってヤラレテます。これからも読み続けますよっ。(北海道・会社員・女・43歳)

◆笑って泣いて考えて。羽海野さんの作品はいつも心を揺さぶってきます。これからも私を脳みそが偏るくらい揺さぶってください。(宮城県・大学生・女・19歳)

◆可愛い絵柄に惹かれて『ハチクロ』を読み始めたのですが。そのキャラクターの心の向こう側にある闇や苦しみ、切なさ、たくさんの感情、事件に揺さぶられるように毎回いろいろと考えさせられ、しかしそれでもあきらめる事をしないキャラクターの生き方、生き様に勇気を分けてもらっています。現在進行形のひなちゃんの「いじめ」問題、続きを読むのが怖いような、でも彼女らがどう切り抜けていくかを知りたくて、じわじわと、待っているところです。どうか、羽海野さんの世界のキャラクターたちが皆、努力が報われ、幸せな未来をつかむことができますように。今、『ハチクロ』の世界のみんなが穏やかな顔でそれぞれの人生を全うしてくれていますように。『ライオン』の世界のみんなが、生き難さを克服して笑って暮らしていけますように。まるでリアルな世界の知人たちを思うように、私は本を手に取ります。羽海野さん、いつもありがとうございます。情緒あふれる素敵な物語を、これからも楽しみにしています。(埼玉県・専業主婦・43歳)

◆ほのぼのとしているのに、濃ゆくて、考えさせられて、惹き込まれる。自分の毎日にぐいぐい喰い込んで来て、発売日前後に体調にまで影響を及ぼす漫画は初めてです。ビックリしています…!!! それ位、チカ先生の作品は私の20代からに大きい存在です。いつもツイッター見てます。お返事が来た時は、本当に嬉しかった。これからも、身体を大切に、描き続けて下さい。いつか、お話しして下さい☆ (東京都・ライター見習い・女・33歳)

◆『3月のライオン』での、マンガ大賞2011&講談社漫画賞おめでとうございます♪ これからも頑張ってください! 私の希望としては、二海堂くんの『将棋はじめて絵本』と、あかりおねえさんのお料理本(おいなりさんが美味しそう♪)が出ないかな~って思ってます。 (岡山県・会社員・女・45歳)

◆受賞、おめでとうございます。ファンの一人としては、受賞を知って「そうだろうそうだろう」と納得した限りです。作品の絵柄はとても可愛くて、紙面から温かさを感じています。人物の曲線がそれを感じさせるのかな、と思ったり。心の苦しい部分を描いている箇所も、「悲しい」より「切ない」と感じます。何度読み返しても楽しくて切なくて色褪せないです。人前で呼んでいるとうっかり泣いてしまいそうになる事があるので、もっぱら家で一人で読むばかりです(笑)。8月に開催される原画展、大阪にも来てくれないかな~、なんて思ったり。これからも楽しみにしています。お体を大切にがんばってください。(大阪府・会社員・女・28歳)

◆講談社漫画賞受賞おめでとうございます。羽海野先生の漫画からは生きることの喜び(時々悲しみ)が溢れ出てくるように感じます。作品の世界に入る、というよりは作品に包まれていくという感覚です。これからもお身体に気をつけて、お描きください。(千葉県・大学生・男・21歳)

◆「才能」という重いものをいつもテーマに描いていらっしゃる羽海野さんが以前、漫画一本でやっていけるか不安もあった、と何かで読んだ事があります。重いけれど、それでも「やっていきたい」という気質と覚悟が作品からあふれ出ていて、読んでいるこちらも締まって行こう! がんばらなくちゃ、と思います。これからもがんばってください。(京都府・会社員・女・28歳)

◆けして威張ってない、さぼらない……羽海野さんの澄んだ世界の見方に漫画を通して色んなことを教えてもらいました。いつも気持ちが濁ってきたらウミノ漫画を読みます。ブログやツイッターはあまり拝見できておりませんが、漫画を描き続けてくれてありがとう。これからも応援しています。 (東京都・自営業・女・33歳)

◆『3月のライオン』大好きです。様々な苦しみの中から零くんがどんな答えを出すのか楽しみです。 (神奈川県・女・34歳)

◆『ハチクロ』のみずみずしさと繊細な世界観、『3月のライオン』の力強さと他にないコマ割、いつも羽海野さんの作品には感動しています。これからも応援していきます。(広島県・女・38歳)

◆羽海野さんの作品からは、いつも、どんなつらいシーンのときでも、どこかに「愛情」や「優しさ」を感じます。どんな孤独でも、今は真っ暗な中にいても、いつかこの先に、何か光があると感じられるような何かを感じるのです。それが、心の中に小さな灯りをともしてくれます。そんな素敵な作品を描いてくれて、ありがとうございます。(愛知県・専業主婦・38歳)