結婚できないのは女子力のせい!? 結婚したければ自分を磨くな!

恋愛・結婚

更新日:2013/4/30

 ネットや女性誌におけるモテ指南の記事や結婚へのアプローチ記事に必ず出てくる「女子力」の文字。ヘアメイクやダイエットなど外見の要素はもちろん、細やかな気遣いや料理の腕前まで求められる。

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 とはいっても、誰しもが器用に女子力を高められるわけではなく、逆に「女子力」をプレッシャーに感じる人も少なくない。そんな不器用な女性たちのもやもやした気持ちを救ったのが、芥川賞作家・津村記久子と“草食男子”の名付け親として知られるコラムニスト・深澤真紀による対談集『ダメをみがく “女子”の呪いを解く方法』(紀伊國屋書店)だ。

 仕事に、恋に、趣味にと頑張りすぎな現代の女性たち。その背景には「普通の人と普通の結婚がしたい」「パーフェクトな女子であるべき」という呪いに掛けられ、がんじがらめになっている姿がある。この本ではそんな呪いを解くべく、津村と深澤が不器用な女子へ処世術を教えてくれる。

 例えば「女子力」に関しても、「女子は共感力が高い」「女子の気が利くところが求められている」と社会が“女子”に向ける期待の高さを指摘しつつ、

「女性の背負う荷物が増えすぎてると思うんです。身ぎれいでセンスがよくて、しかも世界まで救わなくちゃいけないのかと(苦笑い)」「そもそも人って“欠けているところが魅力”になりますよね」(深澤)

「補い合うのが魅力なんですよ、いろんな人同士で。女の人については、なんでもできるコがいいってなりやすいんですかね。つまらんな」(津村)v

とばっさり。確かに人は短所や・弱点をどうカバーするか、どう見せるのかによって、その短所が長所に変わることもある。完璧であること=魅力、とは限らないと開眼させられる。

また、2人は、幸せを遠ざけているのも女性自身だとも指摘。女性誌は結婚に関しても「高め合える夫婦」というハードルの上げ方をし、それに感化されている女性が多い。

「“太っている今の私を好きになる人は嫌”とか“痩せてから好きになってほしい”とか。やっぱり自分を磨いてすてきになって、自分の価値を高めて、お互いを高めあうべしみたいなことになる」(深澤)

と知らぬうちに自分に呪いをかけているという。そこには、自己評価の低さから「私のこと好きな男なんて、すてきな人じゃない」という呪いまで存在しているというから、事態はより複雑。ありのままの自分を好きになってくれる人がいるのならそれが一番楽に思えるのだが、呪いにかかっている間はそれに気付かないのかもしれない。

多くの人が口にする「普通の人と普通の結婚をしたい」という、一見欲を抑えたような願いも“呪い”のひとつ。

「“普通の人”なんてこの世のどこにもいないから。“普通の人と普通の結婚がしたい”なんて、実は幻想ですよ」(深澤)

「“普通”の要求するものが高いんですよね」(津村)

「自分も足りないところがあるんだと思って、いい意味で相手を妥協してかないと。“いつかすてきな相手が現れる”ってことはあんまりないですからね」(深澤)

 そのためには、「自分をポンコツやと認める」「そのポンコツな自分を愛でてくれる人のポンコツに対しても怒らない」「その人にポンコツな部分を発見したら、自分も面白がる側に回る」ということが大切だと提言。

 結婚や恋人を作るときに必要なのは、女子力を高めることではなくて、自分のことを見つめ直し、呪いに捕らわれていないか確認すること。自分を磨くより、呪いを解く努力をした方が楽で自由な人生が手に入る──“楽”することが苦手な女性こそ、2人の言葉に耳を澄ませてほしい。