大人も子どもも夢中になる、数学クイズとは?

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公開日:2013/5/5

 それでは、まずみなさんの誕生日を当てる簡単なマジックをやってみましょう。みなさんも電卓を持って誕生月に4を掛けて9を足してください。そして、その答えにさらに25を掛けて誕生日を足してください。最後にそこから225を引いてください。出てきた数字は……はい、あなたの誕生日が出てきたでしょう? 実はこのマジック、簡単な数のトリックなのです。こんな楽しいマジックや2桁×2桁の計算、どんな数でも何の倍数かを一瞬で見抜く方法があったら、知りたくないですか? その方法が子どもでも簡単にわかっちゃう絵本があるのだ。それが、3月18日には第2弾も発売された『親子で楽しむ! わくわく数の世界の大冒険』(桜井 進:著、ふわこういちろう:イラスト/日本図書センター)である。

 さっきやった誕生日を当てるマジックは、種明かしをしてみると、ただ単に誕生月×100+誕生日をしただけ。それではマジックにならないので、あえて最初に余計な9を足し、その後余分な9×25=225を引いたのだ。種がわかればなーんだと思ってしまうかもしれないが、数の決まりごとさえ知っておけばどんなに難しそうな問題もあっという間に解けてしまうし、このようにマジックに応用することもできる。

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 では、次に1+2+3+4+…+9+10の計算を5秒で解いてしまう方法がわかるだろうか。この計算のポイントは、真ん中にあたる5番目の数字。連続する10個の数字を、階段のように見立ててみて欲しい。そうすると、真ん中の数を中心にそれぞれ1段ずつ上がっている方と下がっている方があるだろうが、その「出っ張りをなくして平ら」にするイメージで考えればいいのだ。これなら、1番目から9番目までの数はすべて5番目と同じ数になるし、10番目の数も5番目との数の差である5を足せばいいだけ。つまり、式で表すと5番目の数×10個+5になるが、単純に5番目の数の後ろに5をくっつければいいのだ。だから、1+2+3+4+…+9+10の答えは55。20個の数だろうと100個の数だろうと基本は変わらないので、真ん中の数の後ろにその数と1番大きな数の差。20個なら10、100個なら50をくっつけてあげれば答えは出てくる。

 また、2桁×2桁の計算もひっ算をすれば解けるけど暗算だと自信がないという人が多いのでは? でも、16×17や19×19といった問題でも、暗算であっという間に解いてしまう方法あるのだ。まず、16×17の場合は一の位同士の掛け算をする。6×7は42で、この2が答えの一の位になるのだ。次に、16に17の一の位である7とさっきの6×7の計算で繰り上がった4を足した数。つまり、16+7+4=27がそのまま百の位と十の位になるので、答えは272となる。

 そして、19×19のように17~19の自乗においてはもっと簡単な方法があり、下1桁はさっきと同じように9×9の答えで導き出す。そして、上2桁はそれぞれ下1桁に4を掛けた数になるというのだ。だから、19×19の答えは361。

 ほら、電卓も紙とペンも使わずに解けたでしょう? この2通りの方法を覚えておけば、2桁の掛け算は完璧!

 さらに、31×39や94×96のように、十の位が同じで一の位が足して10になるような計算を簡単に解く方法もある。こちらは、1×9や4×6のように下1桁をかけ算したものが答えの下2桁に。上2桁は十の位と十の位に1を足した数を掛け算するだけ。31×39なら3×4の答えである12が上2桁で、下2桁は1×9をした09になるので答えは1209。これさえマスターできれば、あとは3桁×3桁だろうとスラスラ解けてしまうのだ。

 こんなに簡単に問題が解けてしまうなら、苦手意識を抱くどころかどんどん数学にのめり込んでいくはず。解けたときの快感や達成感を得られるのも、人々が数学にハマる理由なのだろう。大人のみなさんも、どうして自分が子どもの頃にこんな本が出てくれなかったのかと思ってしまうかも。

 ほかにも、ラジオの周波数がすべて9の倍数になっている理由や同じクラスに誕生日が同じ子どもがいる確率。一や十のいろんな読み方など、日常生活でも使える豆知識がたくさん。普段の生活から数学に興味を持つきっかけになるし、ちょっとした疑問も数の法則で見れば「なるほど」と納得できるのでますますハマっていく。学生だけでなく、大人になっても算数や数学に苦手意識を持っている人は少なくないし、学校を卒業してやっと数学から解放されたと思っている人も多いだろう。しかし、そんな大人のみなさんでもこの本を読めば数学に興味がわいてくるはず。ぜひ、みなさんも不思議な数の世界へ足を踏み入れてみては?