特集番外編1 2007年9月号

特集番外編1

更新日:2013/8/15

「悲しみを知った夜は『100万回生きたねこ』を読み返す」特集番外編

 

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編集/M.I.

 

『100万回生きたねこ』、ほとんどの人がタイトルくらいは知っている絵本なのではないでしょうか。私も、子供のころに読んで、猫の生き様に衝撃をうけた覚えがあります。  なんとこの絵本、今年刊行30周年なのです。30年というと一世代とちょっと。その間、脈々と読み続けられている作品なのですね。  というわけで、今回は『100万回生きたねこ』 祝30周年! の大特集です。

 

冒頭の超豪華トリビュート企画は、必見です! イラストレーター、漫画家などのみなさまに、自由に発想したトリビュートイラストを書き下ろしていただきました。アーティストさんごとの味に溢れた、とっても見ごたえのあるものになっています。是非じっくり見てみてください。また、30周年お祝いコメントも、詩人、作家、デザイナー、女優と、幅広い分野のみなさまからお寄せいただきました。

 

また今回は、著者の佐野洋子さんの魅力にも迫りました。絵本作家としてだけでなくエッセイストとしても知られる彼女。エッセイやインタビュー記事でその言葉に触れ、まっすぐ、気取らない様子に私はしびれました。絵本のみでエッセイはまだ読んだことがない、という方、是非そちらにも手を伸ばしてみてください。かなりオススメです。  今回は佐野洋子さん自身にもご協力いただき、バイオグラフィのコーナーでは貴重な子供時代のお写真も掲載しています。こちらも是非ご覧ください。

 

特集にあたって、読む人によって本当にさまざまな受け取り方が出来る絵本なのだということを実感しました。人、というよりもその時々の立場や心情によっても異なってくるものかもしれません。そこがまた魅力でもあるのでしょう。今回の特集でインタビューさせていただいた西原理恵子さんも、子供を産んだことによって違った読み方が実感できたと語っていらっしゃいました。(また、西原さんはこの絵本をある「アイテム」としても使っていらっしゃるとのこと。その辺りのお話も、どうぞ本誌でチェックしてみてください。)

 

小さい頃読んだことがあっても、また大人になって読み返すと別の味わいが出てくる絵本『100万回生きたねこ』。読み返してみようと思われた方、また、なんとなく聞いたことはあったけれど読んだことはなかったという方も、是非本誌をお供に『100万回生きたねこ』の世界に触れてみてはいかがでしょうか。