梅雨前に知っておきたいあの食品の賞味期限

健康・美容

公開日:2013/5/20

 特売でつい多めに買ってしまった食品、もともと腐ってるんだから賞味期限を過ぎても大丈夫だろうと放っておかれる納豆……。自炊がおろそかになりがちなひとり暮らしの冷蔵庫はパンドラの箱だ。腐っていることに気付かず食べてしまい、腹痛や下痢、嘔吐……なんて経験をした人もいるだろう。

 たまごや野菜など、消費期限が短い食品だけでなく、一度買ったらなかなか減らない調味料や乾麺、缶詰など、キッチンには「まだ食べられるかな?」のモヤモヤがはびこる。
 それを解決してくれるのが、東京農業大学徳江千代子教授監修の『賞味期限がわかる本 冷蔵庫の中の「まだ食べられる?」を完全解決!』(宝島社)だ。乳製品から、肉や野菜・果物、飲料や菓子まで全400項目を網羅。食品ひとつひとつの特徴、賞味(消費)期限や保存方法、野菜・魚介類は選び方とともに解説している。

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 たとえば、チーズはナチュラルチーズとプロセスチーズの2種類に分けられる。ナチュラルチーズは牛乳など動物の乳に乳酸菌と酵素を加えてできたもので、カマンベールは開封後1週間、ゴーダチーズは2週間もつが、モッツァレラはなんと2日しかもたない。プロセスチーズはナチュラルチーズを原料に砕いて溶かしたり混ぜたりしたもの。スライスチーズは開封後4~5日、チーズおつまみは3日の期限だ。

 魚介類もさまざま。ウニは購入日に食べきること、エビは生で2日もち、イカは加熱調理で3日、タコはゆでて4~5日もつなど、鮮度命の魚の扱い方が詳しく解説されている。新鮮な魚の見分け方、美味しさを一手間で長持ちさせるための保存方法など、役立ち情報満載だ。

 野菜・果物類も同様。長持ちしやすい野菜(かぼちゃ、たまねぎ、白菜、じゃがいも)、いたみやすい野菜(もやし、水菜、えだまめ、きのこ類など)など、それぞれの選び方や保存方法を知ることができる。しいたけは「カサを下に」すると1週間もち、ニラを冷凍するときは熱湯をかけてからと紹介されている。

 意外な食品の個性に驚くことも多く、ひとつひとつ、生産方法も加工工程も違うという当たり前のことに気付かされる。食品を大事にし、より美味しく食べるための辞書として、一家に1冊あると重宝するかも。

 ちなみに、冒頭の「納豆は腐っても食べられる」というのは間違い。納豆は納豆菌による「発酵」でできた食品のため、腐っているわけではないのだ。賞味期限はきちんと守り、美味しく食事をいただきましょう。

文=菅原信子