「雨女雨男協会」「ロマンチスト協会」……この協会がすごい!

社会

更新日:2013/5/21

 この春からスタートしたテレビ朝日系の深夜のバラエティ番組『あっちマニア』。劇団ひとりと土田晃之がディープなマニアたちを紹介するという内容だが、「全国亭主関白協会」や「鬼ごっこ協会」「日本ドール公団」など、続々と登場する不思議な協会の数々に「協会っておカタい組織だけじゃないんだ」と驚きの声があがっている。

 そんな“協会”と名乗りながらも「一体何やってるの!?」とビックリしてしまう団体の実態に迫ったのが、4月に発売された『変な協会―協会力が世界を救う!?―』(メタモル出版)だ。著者はなんと「日本キョーカイ協会」。いまから3年前にラジオを中心に活躍する構成作家である椙山ジョージとオカヒデキの2人が「協会たちを紹介する協会」として設立したという。

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 著者がすでに不思議な協会なのだから、彼らが紹介するほかの協会は相当なもの。たとえば「日本雨女雨男協会」は、“いわれなき差別を受けている”雨女・雨男が結束し、地球の環境問題に取り組むべく「砂漠に雨を降らせちゃったらどうだろう」と発足したという。

 会員になる条件は、どれほど強力な雨を降らしてきたかという「伝説」を語ること。ここで集まった伝説も凄まじく、“晴れの日の陸上競技会で自分がスタートラインについた瞬間に雨が降り出し、ゴールした瞬間に雨がカラッとやんだ”という女の子のエピソードが紹介されている。もちろん彼女にとっては「ディズニーランドの想い出は全て雨」だそう。ちなみに、この協会の事務局長によると、当初は「雨乞いのイベントを積極的にやろう」と考えていたそうだが、ここ最近はゲリラ豪雨などの被害があったこともあり「大々的に雨を降らせるイベントはさすがに…」とのこと。いささか残念である。

 一方、「日本ふんどし協会」は、2011年の発足以降、急激に知名度を上げている協会だ。2012年からは2月14日を女性から男性にふんどしを贈る「ふんどしの日」に制定。制定したのは「日本記念日協会」という、こちらも「そんなのがあったのか!」と驚いてしまう協会だ。また、この日にはふんどしの普及に貢献した人に「ベストフンドシスト」を贈呈。昨年は安田大サーカスの団長安田、いとうせいこう、勝俣州和らが、今年は元NHKアナの住吉美紀、壇蜜らがこの賞を受賞したという。私たちの知らない間に、バレンタインデーはふんどしに乗っ取られそうな勢いなのである。

 「日本ふんどし協会」の会長は、コンサルト会社の役員。体調を崩した際に人から「ふんどしがいいから、締めてみなよ」と薦められ、越中ふんどしを購入。着用してみると「こんなに快適な下着があったのか」と感動したという。こうした体験から、ふんどしの魅力を伝えるために協会をつくることを決意。そのとき所有していたパンツは全て捨ててしまったというから、かなり強固な熱意である。

 このほかにも本書では、“ロマンチストが増えたらもう少し社会は豊かになる”という理念を掲げた「日本ロマンチスト協会」や、メルマガの文面が“いつも唐揚をありがとうございます”から始まる「日本唐揚協会」など、濃すぎる協会を次々と紹介。真面目なのか不真面目なのか、感動なのか脱力なのか──この得体の知ない“協会パワー”に、あなたも触れてみては?