“今でしょ!”林先生だけじゃない! BL界でも人気の予備校講師たち

BL

2013/5/22

  「今でしょ!」のひとことで一躍大人気となった予備校講師の林修。今ではテレビでも引っ張りだこで、学生じゃなくても彼の授業を聞いてみたいと思った人は多いはず。そんな彼だけじゃなく、BLにも人気の予備校講師がたくさん登場する。そこで、5月1日に発売された『君が大人になる前に』(サガミワカ/角川書店)や『野獣なネコ 流されるクマ』(丸木文華:著、鬼嶋兵伍:イラスト/白泉社)、『あめの帰るところ』(朝丘 戻。:著、テクノサマタ:イラスト/フロンティアワークス)などから、魅力的な講師たちを紹介しよう。

 まず、『野獣なネコ 流されるクマ』に出てくる予備校講師は、のっそりとしたクマのような大学生・村井健児。そして、お相手は女装が似合う高校生の舞田敦。彼は予備校の初日から「一目惚れした」と詰め寄って外で話す機会を設けさせるし、休日には一緒に映画に出かけたりもする。そうやってグイグイ押していってアピールできるのも、相手が予備校の先生だから。これが学校の先生と生徒なら、いくら男同士とはいえ休日に2人きりで遊んでいるところを見られるとえこひいきだなんだと騒がれるかもしれない。それに、仕事中の「先生」の顔とプライベートな「彼氏」の顔が見られるのも、予備校講師と付き合うメリットかも。普段は「先生」と呼んでいるけど、2人きりのときは「健児さん」と呼ぶ。健児も同じように、予備校では「舞田」と呼ぶけど、プライベートでは「敦」と呼び捨てで呼んでくれる。こんな楽しみ方ができるのも、予備校講師ならでは。

 また、『君が大人になる前に』でも「生徒とはプライベートな付き合いしない主義なの」と言っていた仙波裕樹が、ある秘密を口止めする代わりに彼に片思いしていた都留孝文にだけ「恋人ごっこ」を持ちかけたりする。仙波が都留に「これ自習室の本棚に戻しておいてもらえるか?」と言って渡したテキストに「20:00公園で」なんてメモが貼ってあったり、会うたびにキスしてくれたり。そんな大人な関係を味わえるのも、予備校講師と生徒という関係だから。そして、予備校の講師は学校の先生よりも身近な存在。特に、受験に関しては誰よりも側で見ていて応援してくれると言ってもいい。そんな相手に、自分のことを好きかと聞いても私立最難関の「慶陽大学受かったら教えてやる」なんてはぐらかされ、挙句の果てには急にお守りを渡されて何も言わずに姿を消されてしまったら、もう慶陽大学に受かるしかない。恋するだけで、進路まで変えさせることができちゃう予備校講師は、実はすごい存在なのかも。

 そして、『あめの帰るところ』には、少々変わった先生が登場する。親に叱られて渋々予備校に通うことにした椎本千歳の担当になったのは、授業にテキストも筆記用具も持ってこないような予備校講師・能登匡志だった。マンツーマン形式の授業を受け持つ彼は、初対面なのに自己紹介もせず、あくびをしながら「わからないことあったら訊いて」と言って席に着くだけ。こんな先生が来たら「うわっ! ハズレだ」と思うかもしれない。でも、能登はただいい加減というわけではなく、間違えても“やれやれ”なんて蔑みを匂わせたり、“こんなのもわかんないの?”と笑ったりしない。それに、“もう少し頑張ってみようね”なんて優しさで劣等感を煽ることもない。質問すれば必ず答えてくれるし、次に同じような問題が解けると「そうそう、よく出来ました」と言って褒めてくれる。それに、「生徒は勉強方法が合う先生を選択しないとダメだよ」なんて言ってチェンジされてもなんとも思わないし、予備校で学校の宿題をしていても注意しないどころか「必要なら漫画読んで息抜きしたっていい」と言い出す。こんな先生がいたら、惹かれないはずがない。嫌々行っていたはずの予備校だって、いつの間にか家より落ち着く場所に変わっているかも。

 受験シーズンに親から言われて渋々通うようになる人も多い予備校。でも、こんなに個性的で魅力的な講師がたくさんいると思えば予備校に通うのだって楽しくなるかもしれない。

文=小里樹