女版『孤独のグルメ』も登場! 女子会の次は女子のひとり酒がブーム 

暮らし

更新日:2013/5/29

 女子会ブームなど最近はお酒をたしなむ女性が増加している。たしかに大勢で飲むのもいいが、ときには『孤独のグルメ』(扶桑社)の井之頭五郎のようにひとりでじっくり味わいたいと思うことも。自宅でひとり晩酌する女性も少なくないというが、女性がひとりで飲み歩くのは少し勇気がいるかもしれない。そこで、ひとり酒を楽しみたい女性にもオススメの『ワカコ酒』(新久千映/徳間書店)を紹介したいと思う。5月20日に発売されたこの本では、26歳の村崎ワカコが美味しいおつまみの食べ方やそれに合うお酒の組み合わせなど、自分なりのこだわりをもっていろんなお店でひとり酒していく。その中から、呑兵衛さんも納得の食べ方や組み合わせを紹介してみよう。

 まず、呑兵衛なら譲れないのが焼き鮭の皮にサザエのしっぽ。鮭は皮を楽しむものでサザエもしっぽあってこそのサザエだし、ざる豆腐を食べるときだって最初は塩で豆腐本来の味を楽しんでからゆずこしょうや酒盗と食べ、最後にネギとかつお節をのっけて醤油でしめる。酒呑みなら、誰もが大共感できるこのこだわり。そして、それらと一緒に呑むお酒が何よりもたまらないのだ。焼き鮭にはなんと言っても日本酒が合うし、白いごはんが食べたいなんて言っている人とはまったく相容れない。酒呑みなら当然かもしれないが、どんな食べ物とでも合うのはお酒だと思っているのだ。

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 また、仕事で嫌なことがあったときもビールをガーっと飲んで忘れるのではなく、あえて熱燗とあん肝ポン酢でまったりするワカコ。あん肝の臭みが苦手なんて人もいるかもしれないが、「熱燗とならば鼻の奥で臭みがうまみに変わる」というのだ。同じように、かにみそのような生臭いものにも熱燗がいいんだとか。熱燗をちびちび飲みながらちまちまとあん肝を食べる。この時間が心に余裕を持たせてくれるらしく、ただ飲んで忘れるだけじゃない気持ちの切り替え方ができるようだ。こんな気分転換やストレス発散ができたら、なんだか大人な感じがしてかっこいい。

 そして、風邪を引いたときだって酒呑みは大人しく家に帰って寝ることなんてない。ワカコは「薬よりも何よりも体をあっためるまるごとニンニク」を求めて居酒屋に向かう。ニンニクのホイル焼きを食べながらさわやかなレモンハイを飲み、ホカホカになってから帰るのだ。ワカコが「呑みすけには呑みすけの治し方があるのさ」と語るように、風邪を引いたときだからこそ飲んで治しちゃうという呑みすけも多いのでは?

 出汁にはポン酒、香りの強いものにはレモンハイ、何にでも合うむぎ焼酎の水割り。ワカコにはワカコなりのこだわりや組み合わせがあるのだ。ただお酒が飲めればいい。つまみも好きなものだけ食べられればいいからいつも同じような組み合わせになってしまう。そんな人たちも、この本を読んでおつまみや気分によってお酒を変える楽しみ方を学んでみては?

文=小里樹