“聖子本でステマ”も! 林真理子の『野心のすすめ』がすごい!

暮らし

2013/6/1

 4月に発売され、20万部を発行するほどのベストセラーとなっている作家・林真理子初の新書『野心のすすめ』(講談社)。「有名になりたい」「作家になりたい」「結婚したい」「子どもが欲しい」というあらゆる願望を叶えてきた林が、昨今“野心が足りない”と揶揄される若者たちへ「“高望み”で人生は変わる」と訴える人生論だ。

 いじめられた中学時代に、四十数戦全敗に終わった就職活動。“お金もなければコネも資格も美貌もない”どん底人生を自らの手で切り拓いてきた彼女の「野心力」はハンパなものではないが、そんななかでも、とくに「野心家すぎる!」と唸ってしまうのが、80年代に松田聖子を使った“早すぎるステマ”エピソードだ。

 当時、松田聖子の著書『青色のタペストリー』(CBS・ソニー出版)の構成を担当したという林。この本のなかで彼女は、松田聖子がさも話したように、「最近出た、林真理子さんの『ルンルンを買っておうちに帰ろう』っていうエッセイは、お仕事で一冊いただいたんですが、現代の女の人の気持ちがあんまりストレートに出ているんで、びっくりしてしまいました」と書き、「自分の本を宣伝」したというのだ。なんでも出版社の人に「書いちゃいなよ」と言われて「ついつい調子に乗ってしまった」そうで、「せこいことしたよなぁと今では恥ずかしく思って」いるとのこと。しかし、本人も原稿チェックをしていたはずで、それでもスルーした聖子に対して「さすがスター聖子、太っ腹ですよね」と綴っている。これが現代であれば、全力で「ステマだろ!」とツッコミを受けてもおかしくはないが、そんなせせこましい関係でも時代でもなかったのだろう。ともかく、「面白そうだと思ったことは、恥をかいてでも、とりあえずやってみる」ことが大事なようだ。

 「とにかく有名になりたくて仕方がない女の子でした」と過去を振り返るように、林といえば前出の『ルンルン~』が売れてからは積極的にテレビに出演し、いまは真木よう子が出演しているフジテレビのキャンペーンガールを務めたことがあるほど。当然、「野心家だからさー」「あそこまで売り込めないよねー」などと悪口を言う人も多かったそうだが、そんな人々に対しては「成功した人を貶めようと負け惜しみを言う人間は、自分がどんなに卑しい顔をしているのか知らないのでしょう」とバッサリ。田舎者を馬鹿にし「恥ずかしいから目立ちたくない」と言うような東京人にも「そんな言い訳をしているだけで何者にもなれないのは、才能と努力が足りないだけではないでしょうか」と切り返す。野心を隠さない、悪口や陰口もものともしない。この「空気を読むなんてもってのほか!」というべき姿勢こそ、いまこの本がウケている理由なのだろう。

 「人は自覚的に“上”を目指していないと、“たまたま”とか“のんびり”では、より充実感のある人生を生きていくことはできないのです」と断言する本書。どうすれば野心をもつことができるか、そして野心をもつとどんないいことがあるのか……人生に行き詰まりを感じている人は、ぜひここで野心の達人・林真理子に習ってみてはいかがだろうか。