腹黒さは気遣いの裏返し!? ほんとはかわいい“京女”の魅力

マンガ

公開日:2013/6/13

 京都の人はおっとりとした上品な見た目とは裏腹に、腹黒いとか冷たいなんてよく言われる。でも、ただ腹黒いわけじゃないし、京都の人には京都人なりの素敵な魅力がたくさんあるのだ。6月7日に発売された『腹黒舞子さんとの京生活』(櫁屋 涼/竹書房)にも、大学進学のために引っ越してきた南恵と同居人の京女・左京舞子が登場する。そこで、ステレオタイプの京女である舞子のかわいらしいポイントを見てみよう。

 まず、なんと言っても京都の人は負けず嫌いで誰よりも京都を愛し、誇りを持っている。四季折々で楽しめるように作られた坪庭を「庭なんか」と言われると怒るし、八ッ橋シューという商品を見て「何でもかんでも八ッ橋や抹茶付けたらええのとちゃうで」とキレる。「はんなり」という言葉を使いたがる恵には「はんなりは自他共に認めるほどの美しさとセンスを持った人だけが使ていい言葉やねん 軽々しく使たら鼻で笑われんで」とバッサリ。それに、京都研究会のメンバーと花灯路に行くことになったときは、全然乗り気じゃなかったのに「京都人が京都知らないって恥ずかしくないですか?」と言われて思わず「……別に行かへん言うてませんけど…」と言い返してしまう。恵の家族が京都に来ることになったときも、京都研究会のメンバーに「南さんのご家族ということは一緒に住んでいる左京さんにとって大切なお客様 京都人として最高のおもてなしをしなくては!!」と言われてやる気を出すのだ。

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 また、直接的な言い方をしない京女だから「可愛いなぁ」なんてストレートに言われると「可愛いなんて言われたことないから恥ずかしいわぁ」と真っ赤になって照れてしまう。それに、恵がただ「デートしよっか」と誘っても軽くあしらわれてしまうけど「もっと京都のこと知りたいなぁ舞子さんのことも…」と訴えるとそれ以上断れなくなってしまうのだ。京女を口説くときは、あえてストレートに言ってみると意外な一面が見れたり、いい返事がもらえるかも。

 そして、人一倍相手への気遣いを大切にする京都。ときには、恵が持ってきたハート柄やレースをあしらった浴衣を見て「最近の柄ってえげつな…」と思いながらも「何や初めて見る柄やわぁ」と笑って見せることがあるが、それも相手の気分を害さないようにと気遣ってくれるからこそ。そんな京都人なりの気遣いが、周りから腹黒く思われてしまう原因なのだろう。でも、舞子は恵が来るまで毎朝パンだったのに「はじめて京都来んのに朝パンやとがっかりするんちゃうかなと思て」と毎朝旅館の朝食のようなごはんを用意してくれていた。それに、早くお風呂に入ってほしくて「お風呂いつでも入れるし」と恵に声をかけているのに、まったく理解してもらえずに悶々と悩んでしまうこともある。そんな控えめな優しさは、京女ならではの気遣いだろう。この優しさに気づいたら、もう京都の人を腹黒いだなんて思わないはず!

 みなさんも、京都の人と友達になる機会があったらぜひこの本を参考にして彼らの魅力を引き出してみては?

文=小里樹