2035年、ひとり暮らしの2/3は50歳以上! 日本人の生活はどうなる!?

社会

2013/6/23

 内閣府の調査によると、65歳以上の一人暮らし高齢者の増加は男女ともに増えているそうだ。1980年に男性約19万人、女性約69万人いた高齢者の一人暮らしの人口に占める割合は男性4.3%、女性11.2%であったが、2005年には男性約105万人、女性約281万人に増え、高齢者人口に占める割合は男性9.7%、女性19%と増加しているそうだ。しかも「今後も一人暮らし高齢者は増加を続け、特に男性で一人暮らし高齢者の割合が大きく伸びることが見込まれている」と予測されているという。

「私は結婚しているし、子どももいるから大丈夫」と、この問題は自分に関係ないと安心しきって「戻る」ボタンをクリックしようとしたそこのあなた! 離婚したり、配偶者に先立たれたり、子どもが育って家を出て行くと、既婚者のあなたも立派な「おひとりさま」になることをお忘れではないだろうか? もちろん親と同居しているシングルも、今一人暮らしの人も、これから結婚する人も、これは日本で生きている人全員に当てはまってくる問題なのだ!

日本人はこれから何を買うのか? 「超おひとりさま社会」の消費と行動』(三浦展/光文社)を開いてみると、2035年には85歳以上の一人暮らし世帯が200万世帯を超え、一人暮らしの2/3が50歳以上になるというグラフが目に飛び込んでくる。「一人暮らし=若者」というのは、あと20年ほどすると当てはまらなくなるのだ。

 その変化は消費や行動にも出てくる。おじいさん、おばあさんは魚や煮物が好きで、趣味でゲートボールをやっている……なんてのは完全に過去の遺物。60歳以上の一人暮らしのシニア男性では、家計支出の中で一番増えているのは「語学月謝」で、その伸び率は13.6%なんだそうだ。一人暮らしのシニア女性も同じで、車を買ったり、インターネット接続料などの伸び率が高い。反対に34歳以下の一人暮らしの男性では、資格取得のための支出が大きく、自転車や家庭用品を購入するなど、堅実な感じが見て取れる。また34歳以下の女性では仕送り金が一番の伸びということで、こちらはなかなかシビアな生活なのだろうか? また35~59歳のミドル世代の一人暮らし男性は家具やインテリアへの支出が増えていて、快適な寝具の購入なども目立つという。またミドル世代の一人暮らし女性はスポーツ観覧料が増えていて、物などよりも「サービス」に対してお金を使っているという。

 つまり「シニア男性は若者化」「シニア女性・ミドル女性はアクティブ化」「ミドル男性はおうち志向化」「若年男性は主婦化」「若年女性は男性化」というニーズが読み取れるという。これまでの消費行動とだいぶ違ってきているといっていいだろう。

 本書ではこうした分析をした後に、「おひとりさまは何がほしいのか」という章で、これからのおひとりさまはサービスやケアといった「物」ではないものを求め、最後に「コミュニティという商品を買う時代」という最終章で、一人暮らしになるとどうしても欠ける「会話」や「コミュニケーション」について、地域社会やコミュニティを作り直す重要性を説いている。

 筆者の三浦氏は「今後のシナリオは暗く書こうと思えばいくらでも暗く書ける。が、本書では明るい展望につながることを最後に書いたつもりである。そうでもしなければ、とてもやっていられない」とあとがきに書いている。孤立化や孤独死、自殺問題など様々な問題をはらむ高齢者の一人暮らし。そうしたことを防ぐ新しい社会の仕組み作りは、あちこちで始まっている。

文=成田全(ナリタタモツ)