「今でしょ!」の次は「情けないね、お母さん」!? 話題の“子育てブラックジャック”とは

出産・子育て

更新日:2013/6/24

 一躍“時の人”となった「今でしょ!」の決め台詞でおなじみの林修。ブームはいまも継続中でテレビに引っ張りだこだが、いま、ひそかに“第2の林修”として注目を集めている人物がいる。その肩書きは、予備校講師ではなく専門行動療法士。長野県で「行動コーチングアカデミー」を主宰する“子育てのプロ”で、多くの親たちから「子育てブラックジャック」と呼ばれている奥田健次だ。

 ブラックジャックといえば黒マントに眼帯姿だが、奥田のHPの写真はロン毛にテンガロンハットとサングラス。白シャツのボタンはゆうに6つは外しているように見え、よく着る服もDOLCE&GABBANAだという派手な身なりだ。しかし、その仕事ぶりはブラックジャックさながらに評判を呼び、今年に入って『NNNドキュメント』『あさイチ』『スッキリ!!』と、立て続けにテレビに出演。彼の子育て法がまとめられた書籍『子育てプリンシプル』(一ツ橋書店)も話題を呼んでいる。

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 『子育てプリンシプル』によると、彼の専門は発達障害や学習障害、自閉症などを抱える子どもの臨床。だが、不登校をはじめ、子育てに悩む親からのありとあらゆる相談は後を絶たないらしい。そんななか彼が本書で問題にするのは「典型的なダメ親」の存在。さすがはブラックジャック、ダメ親に対しては「情けないね、お母さん」と言い放つ容赦のなさだ。

 「典型的なダメ親」というのは、“そのときの都合や事情によって態度がまったく変わってしまう”親のこと。たとえば、本の読み聞かせを行ったり勉強に付き合ったりと教育熱心なお母さんでも、自分が遊びたいときにはそれらをほったらかして遊びに連れてでかけてしまう。子どもが駄々をこねて金切り声をあげたらお菓子を与え、しかし別の日に再び大声でわめいたときには「うるさい!」と怒鳴り頭を叩いてしまう。こうした「適当にあしらったり、自分がラクなほうへ流されてしまう」という態度がよくないと指摘するのだ。子育てブラックジャックが提唱するのは、こうした都合や気分、世間の風潮に惑わされることなく「一貫した態度で子どもに接する」ために、家庭ごとにルールをつくること。これにより「親が子育てで逃げてきた部分、あるいは見て見ぬふりをしてきた部分に見つけることができる」という。

 家庭ごとにルールが決まったら、あとは徹底して子どもに守らせる。大変なのは、子どもにルールの存在を伝えることだ。たとえば、体調が悪いときには学校を休みたがるのに病院に行くのを嫌がる子どもなら、「体調が悪くて学校を休んだら、かならず病院に行きます」とふだんから言い聞かせる。「それがあたり前」とわからせることが重要であるため、日頃から会話を積極的に行い、子どもの話もじっくり聞いてやる。そしてルールを守れたときは「赤飯を炊いてお祝いするくらい大げさに褒めまくってあげる」。こうした練習が大切なのだとブラックジャックは述べている。

 このほかにも、自立をうながす育て方やうまい叱り方の方法など、奥田流子育て法が網羅された本書。果たして下半期の流行語は「情けないね、お母さん」となるか。子育てブラックジャックの、今後のブレイクにも注目したい。