美人の真似をするだけで30キロ減! 今夏の最注目のダイエット法とは

ダイエット

更新日:2013/7/1

 夏を直前に控え、注目が集まる本といえば、やはりダイエット本。本の種類もバラエティに富み、さまざまな方法が紹介されているが、そんななかでも“最強”のダイエット法を取り上げたコミックエッセイが話題を集め、じわじわと売れている。どのように最強かというと、なんとそのダイエット方法は「美人になったつもりで生活する」こと。本のタイトルも、そのものズバリ『スリム美人の生活習慣をマネしたら 1年間で30キロ痩せました』(わたなべぽん/メディアファクトリー)である。

 著者がダイエットを決意したのは、体重が95キロのときのこと。「別に人前に体をさらす職業じゃないし」「夫は気にしてないみたいだし」と好きなだけ食べたいものを食べていたら、ある日、身体の重みによって便座を割ってしまったという。そこで過去のベスト体重だった60キロを目指してダイエットを開始するのだが、まず最初に覗いたのは、ダイエッターたちが体重記録を付けたり情報交換などを行うポータルサイト。ここでダイエッターたちの日記を読んで、著者はあることに気付く。それは「おデブさんって言いわけ多いよね」ということ。生理でむくみ「どうせ痩せないし」と過食する人、運動でひざを痛めて諦める人…挫折したり、何かと理由をつけて食べている人は、公開している体重も立派な人たちばかり。一方、スリムな人の日記は、「会社帰りにジムでピラティス」「ネイルサロンに行ってきました」といった具合に“生活そのものが美人”だったのだ。

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 そうしてスリム美人を真似するべく、著者はいつも飲んでいた甘いカフェオレやミルクティーを水やお茶にチェンジ。外食するときも「フレッシュ、ヘルシー、旬」を意識した“美人オーダー”を心がけ、さらに太っていることを言い訳にして放ったらかしていたスキンケアやメイク、おしゃれ、運動などにも着手していく。ときには「太ってるのに着飾ってるってこっけいかな…」と“美人になったつもり”でいる自分に恥ずかしくなったりもするのだが、「私の理想の美人は容姿だけじゃなく朗らかで親切で卑屈にならない性格美人!」と言い聞かせたそう。この「卑屈にならない」というのは、ダイエットを挫折しがちな人にとって、とても重要なことだろう。

 そんな生活を送って2ヵ月目、体重は95キロから8キロ痩せて87キロに。ここでキケンなのが、ご褒美と称して焼肉などをがっついてしまうこと。ここでもスリム美人を参考に、著者はダイエットのご褒美を食べ物ではなくホットビューラーや香水、脇の脱毛といった「ますます美人になれるもの」に設定。モチベーションの低下を防いだという。

 半年後には19キロ減の76キロ、11ヵ月半後には30.2キロ減の64.8キロと、見事にダイエットに成功した著者は、あとがきで「私に一番必要だったのは“やせる方法”よりも“太らない生活”だったのかもしれません」と綴っている。だが、おデブさんにとっては“太らない生活”を受け入れるというのが、もっとも難しいもの。そういう意味では、本題である“スリム美人の生活習慣”以上に、あらゆる誘惑に抵抗し、前向きに立ち向かっていく“強い心の持ち方”を教えてくれることが本書の最大の魅力だろう。

 本のタイトルはまるで誇大広告のように魔法度が高いが、看板にいつわりなし。精神力も鍛えられそうなスリム美人生活、あなたも真似してみては?

文=小里樹