少女マンガの一大ジャンル バレエマンガの歴史を辿る

マンガ

更新日:2013/7/8

 少女マンガは、戦後より一気に花開いた文化だが、長らく描かれ続けてきたテーマの一つに「バレエ」がある。「白いチュチュにトウシューズ」といった多くの日本人が思い浮かべるバレエのイメージも、マンガで広まったと言っても過言ではない。また、日本のようにお稽古事としてバレエが定着している国は世界でも珍しいらしく、日本独特のバレエ受容の背景には、マンガによる影響が大きいようだ。

 そんな少女マンガとバレエの関係に注目した展示「バレエ・マンガ~永遠なる美しさ~」を、7月13日から9月23日まで京都国際マンガミュージアムで開催する。手前みそで恐縮だが、紹介させてほしい。

advertisement

 目玉としては、山岸凉子ら12名の作家のバレエ作品を一堂に見られる点だ。美麗な画がずらりと並ぶのを見れば、少女マンガが追求してきた美しい表現は、様々なマンガ家たちがバレエを描いたことで磨かれてきたと気づく。また、もう一つの見所は、密度の濃い研究内容だ。本展は、マンガやバレエの研究者を迎えた研究会メンバーによって制作されている。「トウシューズに画鋲」など定番のいじめについてのコラムなど、読む展示としても充実しているのだ。また、図録にも力を入れており、特に巻末のバレエ・マンガとバレエの関係を示す年表は必見である。今後、様々な研究に活用される資料になるはずだ。

 とにかく豪華さと内容の熱の入り具合は保証する。ぜひご来京を!

文=倉持佳代子