改正論議で売れゆき好調の憲法本に萌えキャラが登場! 「9条ちゃん」ってどんな子?

政治

2013/7/9

 7月21日に行われる参議院選挙。そこで注目を集めているのが、憲法改正の問題だ。以前より安倍首相は「憲法を国民の手に取り戻す」ことを強調し、自民党も選挙公約に憲法改正の手続きに触れた憲法第96条の改正を掲げている。改憲については国民のあいだでも大きな関心事となっており、憲法について書かれた書籍は売れ行きを伸ばしている。

 そんな数ある憲法関連の本のなかでもとくに異彩を放っているのが、『Constitution Girls 日本国憲法』(森田優子:著、法学フューチャー・ラボ:編集/PHP研究所)という1冊。なんと憲法を萌え系の女の子たちに擬人化し、わかりやすく解説しているのだ。学習参考書などでも萌えキャラを使ったものが数多く発行されているが、ついに萌えは憲法の世界まで到達してしまったらしい。

 なんといっても気になるのはその中身だが、たとえば、安倍首相の懸案事項である憲法第96条はどうか。本書の該当ページをめくってみよう。

 まず、憲法第96条とは、憲法を改正する際は、国会が提案する改正案について国民投票を行い、その改正案に過半数が賛成すれば国民が承認したこととなる……というもの。現憲法ではこの国民投票に持ち込む改正案が総議員の3分の2以上の賛成がなければならないが、これを自民党は過半数に下げることを公約に明記している。本書はこの第96条に「参議院ちゃん」と「衆議院ちゃん」とともに「国会ちゃん」がセンターでポージングするイラストを掲載。「厳格で慎重で、とっても複雑」というキャッチコピーをつけている。

 また、安倍首相が96条の改正に意欲的なのは、9条の改正が目的だとされているが、9条といえば“平和憲法”とも呼ばれる「戦争の放棄と軍備・交戦権の否認」を謳った現在の憲法の象徴的な項目だ。それゆえか、本書に登場する「9条ちゃん」は、焼け野原に裸足で真っ白なワンピース姿で立ち、一輪の花を両手で大事そうに握る素朴で純真な萌えキャラ設定。解説にも「憂いの表情で微笑む女の子」「過去の犠牲となった人達の痛みの上に立ち、悲しげです」とあるが、戦争と密接に関わる9条がもつ意味をイラストからも感じ取ることができる構成だ。

 このほか、予算委員会で安倍首相が答えられず話題になった、「個人の尊重と公共の福祉」について言及している第13条には、ドット柄のフレアスカートにもんぺパンツを合わせ、ウサギ型の鞄を下げた奇抜ファッションの「13条ちゃん」が登場。“個人が自由に幸福を追求していくための権利”を保障する13条らしく、「オンリーワンを目指す」キュートなキャラクターだ。国民にとっては個人として尊重されることが謳われた重要なこの憲法を答えられなかったのは大きな痛手。本書を読んでいれば、安倍首相も恥をかかずにすんだかも!?

 憲法は、わたしたちの社会の基礎となる大事なもの。改正には慎重な議論を重ねることが求められるが、その際の基礎知識を身につけるには、擬人化されたこの解説書はとてもわかりやすいはず。この機会に、いま一度じっくりと憲法について考えてみてはいかがだろうか。

(ダ・ヴィンチ電子ナビより)