庶民ママがセレブ学校のママカーストに入るとどうなる!?

コミックエッセイ

更新日:2014/2/14

 学力や運動能力、見た目などによって序列が決まるスクールカーストが話題になったが、最近ではママ友の間でもママカーストというものが存在するようだ。ここでは夫の収入や見た目、持ち物、子どもの能力といったところでカーストが出来上がるらしい。同じくらいの環境の人と一緒にいれば安心に平穏に暮らせるだろうが、子どもの将来やいろんなことを考えればそうも言っていられない。

 6月14日に発売されたコミックエッセイ『庶民の娘ですがセレブ学校へ通っています』(竹書房)の作者・東條さち子は、娘のトーコを学費200万もするインターナショナルスクールに通わせる。セレブ学校がどんなとこかも気になるが、やはりセレブなママ友たちとうまくやっていけるのか、も気になるところ。

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 こんな学校に通わせるくらいだから、多くの親は医者やスポーツ選手、日本舞踊の家元など、そうそうたる顔ぶれ。一時期、タクシーの運転手をしている旦那が失業して学費を払えず、学費ローンを組んだ作者の家とは大違いなのだ。だから、最初は入学式に9500円のスーツを着て行ったところ完全に浮いてしまい、きれいなセレブママを見ては「しょせん女は顔なのか!!」と悔しがっていた。それに、PTA総会でもついつい自分と同じように「カツカツ感のある人」を探してしまう。でも、その人たちが逆によく目立つと知って「という事は多分自分も思った以上に目立ってるんだろうな~」と落ち込むのだ。それに、セレブは学校のクリスマスフェスタで開かれるバザーのためにブランド品やTV、ノートパソコンなどをバンバン寄付するのだが、作者の家は「家中見渡してもロクなものがない体たらく」で、ついには旦那さんの美少女フィギュアコレクションを出そうとする始末。

 でも、次第に専業主婦だと思われるセレブママたちを見ても「セレブの常識がどうかは知らんがウチの場合は働かないと食えない」と思えるようになり、比較して落ち込むことはなくなる。それに、他のママたちが、豪華な手作り弁当にこだわっていると知っても、「弁当を作って毎日数百円節約するよりその時間分働いて節約以上の収入を得る方が効果的だし」と思い、たとえクラスでランチをとるのが2人だけになってもランチを選んだりするのだ。

 どんな学校に行ってもママカーストは存在するだろうが、その格差をいちいち気にしていたらきっとセレブ学校ではやっていけない。周囲に合わせようと努力をするよりも、作者のように自分は自分と割り切って周囲の空気は気にしないくらいでちょうどいいのかも。

文=小里樹