あの『MELTY BLOOD』のガン攻め少女が女子高生に!?

マンガ

公開日:2013/7/13

 6月24日、ある1冊のマンガが発売された。その作品のタイトルは『花のみやこ!』(桐嶋たける:著、TYPE-MOON:その他/角川書店)。一見、なんの変哲もないように思えるマンガだが、じつは、この作品の主人公、ある筋が歓喜してしまうキャラなのである。では、その名前を発表しよう。主人公の名は、有間都古(ありまみやこ)。そう、彼女は、今でもゲームセンターでゲーマーたちを熱狂させている人気格闘ゲーム『MELTY BLOOD』に登場するキャラのひとり、八極ロリ拳士として大きなお友達からの注目を集めた有間都古その人なのである。

 そもそも、『MELTY BLOOD』とは「TYPE-MOON」による『月姫』の外伝的な位置づけで発表された格闘ゲームで、ボタンの少なさにも関わらず、多彩なコンボをきめることができ、なおかつ「シールド」「マジックサーキットの強制解放」などといった駆け引きを楽しくさせるシステムも搭載。そしてそのシナリオ・設定・魅力的なキャラクターたちで、『月姫』ファンはもちろん、ハードでジャンキーな格ゲーマーたちをも虜にしたのである。このゲームが、何千枚の百円玉、ゲーマーたちの何百時間に及ぶ時間を奪い去っていったことか。

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 さて、そのキャラのひとりである有間都古。『月姫』のファンディスク『歌月十夜』の段階では、名前だけ登場していたのだが、『MELTY BLOOD』で正式に絵と設定諸々が用意され、満を持しての登板となったのである。主人公である遠野志貴が、とある理由により実家を離れ、暮らすことになった有間家の長女で、志貴を兄として慕っているという、なんだか少しややこしい妹キャラ。ちなみに小学6年生である。もう、ロリロリである。身にまとっている衣服は真っ赤なサイズの合っていないチャイナ服のような服を上半身に、そして、下半身にはホットパンツのようなものを履いている。どの層を狙っているのかわからない格好ではあるが、抜群に似合っているし、まあたまらなくかわいいので、問題はない。小柄なためか、攻撃のリーチは短いものの、機動性に富んでおり、その素早い動きと「なんちゃって八極拳」を駆使した連携で相手を叩きのめす、ガン攻めキャラとして大活躍し、数多くのゲーマーに苦渋を味わわせた。

 そんな有間都古が『花のみやこ!』では、女子高生に成長。武道・武技の優劣によって学生がランク付けされるという、ものすごいおっかない学校、私立浅上高等学園を舞台に暴れ回る! といいたいところだが、初登場時は分厚いメガネをかけ、ゆるいウェーブがかかった髪もまとめた、地味な格好で登場。しかも、学内のランクは最底辺で、「おい、お前本当に都古か?」と疑ってしまうほど。しかも自己紹介で「夢は花の女子高生ライフをエンジョイしまくること」と言ってしまったせいか、同じクラスの生徒からは腫れ物のように扱われている始末。しかし、その強さは健在で、10位以内に入るランクの生徒を「頂心肘」の一撃で叩きのめすほど。ちなみにこの頂心肘は、『MELTY BLOOD』での都古の必殺技のひとつである。

 まるでその強さを隠すように生活する都古だが、その理由はすごく単純で「まともな」高校生活をおくりたいということだけ。なので、目立たないような格好をあえてし、なるべくランク争いなどからは自分を遠ざけているのである。しかし、高ランクの生徒を叩きのめしてしまったことで、その生活にも徐々に変化していくことになるのだ。都古が大暴れする日はくるのか、『MELTY BLOOD』を知っていればいるほど、先が気になってしまう。

 しかし、ゲーマーとしては、都古の成長した姿を見ても、喜びや興奮よりも先に、彼女を『MELTY BLOOD』で使えれば、とんでもない強キャラになったのではないかと想像してしまうのである。いやはや、ゲーマーというものは、つくづく業にまみれている生き物だと実感してしまうのだ。

文=オンダ ヒロ